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虎ノ門大学院ブログ
2018年06月14日

約70名が参加!伊藤俊幸教授×野村恭彦教授『リーダーシップは誰でも身に付けられる』出版記念イベントを開催しました。

2018年6月6日(水)19時~21時、アルファポリス社から4月に発売された伊藤俊幸教授の新著『リーダーシップは誰でも身に付けられる』の出版を記念して、KITプロフェッショナルミーティングを開催しました。あいにくの雨天でしたが、お仕事帰りのビジネスパーソン約70名にお集まりいただきました。3部構成で行われたこの日のイベント、第1部は伊藤教授による講演です。『海上自衛隊が実践するフォロワーシップと最強リーダーシップ論』と題し、カリスマ型のリーダーシップ重視から大きな変化を遂げてきている近年のリーダーシップ論の潮流について紹介がなされました。


※海上自衛隊元海将として、テレビや新聞など各威廉希尔中文网站で活躍する伊藤教授


「どんな人でも、考え方を変えるだけでリーダーになれるんです」と、この日のイベントでもそう熱く語った伊藤教授。これまでのキャリアで身に着けたノウハウが惜しみなく盛り込まれ、組織で責任ある立場に就いたものの「自分にはリーダーの役割は向いていない」と思い込んでしまっている人たちには勇気づけられる内容でした。潜水艦乗りとしての経験や艦長時代のエピソードが豊富に盛り込まれていますが、どれもビジネスに通じる内容です。自衛隊のような組織では、トップが全てを判断し、指揮?命令している姿を想像される方も多いのではないでしょうか。しかし、伊藤教授がおっしゃったのは真逆の話です。

「潜水艦の艦長は命令しないんです」
「リーダーである艦長が発すべき言葉は『了解』と『待て』だけです」

伊藤教授は1998年の海自潜水艦の艦長としてRIMPAC(環太平洋合同演習)に参加。米軍の敵艦役として木っ端みじんにされるはずだったところ、たった1艦で強襲揚陸艦部隊全艦など15隻を撃沈した経験をお持ちです。このような実績の背景にあるのが、良きフォロワー(部下)の存在と、彼らの力(主体性)を引き出したリーダーの存在でした。

確かに、ビジネスにおいても、いくら圧倒的な才能を持つリーダーがいたとしても、その人の号令がなければ組織が回らないような仕組みでは、市場の激しい変化に追いつくことは困難でしょう。できることも限られます。その点、フォロワー(部下)が主体的に動くフォロワーシップ(信頼)に重点を置く組織であれば、こうした限界や不満を解消できます。情報化によってビジネスが劇的に変化し、個人の力がますます増大する今の時代。組織を率いる一つの実践的なアプローチとして、皆さん熱心に耳を傾けておられました。

続いての第2部は、本学でファシリテーションに関する講義やゼミ指導を担当している野村恭彦教授と参加者同士の対話です。『信頼のつながりを作ろう!イノベーション?ファシリテーションの力』と題された本パート。企業?行政?NPOなどが、経営のやり方、協業の仕方、働き方、すべてを変えようとしている変化の時代。野村教授によると、こうした時代におけるファシリテーターの役割は、単に会議やグループ内の対話を促すことにとどまりません。多様なステークホルダーを集め、その一人ひとりの主体性と経験知を引き出し、信頼と協調アクションを引き出すことが可能であり、また期待されています。まさに先ほどの伊藤教授のお話にもあった通り、一人一人のフォロワーの力を引き出していくリーダーシップのあり方であり、技法の一つがファシリテーションなのです。


※「渋谷をつなげる30人」まちづくりプロジェクトの仕掛人でもある野村教授


野村教授のミニレクチャーののち、早速全体での対話のスタートです。最初のテーマは、第1部の伊藤教授の講演を聞いて、リーダーシップに関してどんな考えが新たに浮かんだのか、近くの席の人と2人一組で対話を進めます。初対面の人がほとんどの中、最初は少し戸惑いを見せていた参加者の皆さんも、野村教授の軽妙なファシリテーションで、どんどん乗っていきます。生き生きと表情豊かになり、話が止まりません。

次の対話のテーマは、2050年に自分が実現したい未来、そして、そのためにはどんな2025年を迎えていると良いかを、フォアキャスト(予測)ではなくバックキャスト(未来からの逆算)で考えること。現状の延長ではなく、未来から発想することで、斬新なアイデアや事業を生み出すことが可能になります。伊藤教授の講演と最初の対話を経て、すっかり温まった参加者の皆さん。参加者それぞれが自分の思いを口に出し、会場もさらに盛り上がります。普段考えないようなテーマややり方で対話することで、新しい考え、そして自身の主体性が引き出されることを、参加者の皆さんにも実感いただけたのではないでしょうか。


※最後はイベント参加者全員で対話を行い、理解を深めていく


最後は、伊藤教授、野村教授のお二人が前に出て、リーダーシップの実践方法について全体での対話。参加者から次々にアイデアが口に出され、違う参加者のアイデア同士が共鳴する、そんな瞬間もありました。全員がリーダーシップを持って生きていく社会の可能性を垣間見れるあっという間の2時間でした。本イベントに関連する科目としては、「リーダーシップ特論2」、「イノベーション?ファシリテーション特論2」を、9月から開講します。1科目から学べる科目等履修生制度の対象となっておりますので、皆様のご出願をお待ちしております!

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