- 虎ノ門大学院ブログ
- 2024年02月03日
『コンセプトの教科書』 特別セミナーを開催。対面参加/オンライン参加合わせて約200名のビジネスパーソンにご参加頂きました。
KIT虎ノ門大学院では1月24日(水)に、『コンセプトの教科書』の著者である細田高広氏を招いて特別セミナーを開催しました。2023年5月に発売された同書はビジネス企画やマーケティング?セールスのカテゴリーでAmazonランキング1位を獲得するなど、多くのビジネスパーソンに支持されています。
総合広告会社TBWA\HAKUHODOのCCO(チーフ?クリエイティブ?オフィサー)である細田氏。企業ブランディングやコミュニケーション開発、さらには様々な商品開発や事業創出に関わってきたトップクリエイターです。2023年には世界最大の広告祭であるカンヌ?ライオンズのイノベーション部門で、日本初の金賞を受賞。またCampaign誌によって、クリエイティブ?リーダー?オブ?ザ?イヤー(Creative Leader of the Year)に選ばれました。
本学では、2024年度から国内外での経験と最先端の知見を持つ細田氏に客員教授として「マーケティング?コミュニケーション特論」を担当して頂きます。
著作への高い評価?関心もあって多数のお申し込みをいただき、当日はオンライン/オフライン合わせておよそ200名にご参加頂きました。
そもそも「コンセプト」とは何でしょうか?
細田氏はビジネスにおけるコンセプトを「建築における図面のように、関わるすべての人の拠りどころになる『価値の設計図』」と定義します。1)意思決定の判断基準となり、2)全体に一貫性を与え、3)対価の理由になるという3つの役割があるとのこと。
同書ではスターバックスの「第3の居場所(サードプレイス)」や、Airbnbの「世界中を自分の居場所にする」など国内外の数多くの事例を挙げてコンセプトの定義や条件を解説しています。いずれも多くの人に支持されているブランドですが、その独自性と価値が一言で表現されていることが分かります。
では、こうしたコンセプトをつくるにはクリエイティブな「センス」が必要なのでしょうか?
細田氏は、コンセプトメイキングを、考える手順を学び訓練することで身につけられる「スキル」だと位置付け、一部の人の特殊な仕事ではなく、すべてのビジネスパーソンに必要なものだと訴えています。
細田氏の書籍は過去10年間、2000人以上のビジネスパーソンに伝えてきた知恵と経験を集約し、誰もが機能するコンセプトを生み出せるように体系化したもの。読んでいるだけで発想が膨らみ、読み終えるときには発想が言語化されるようにできています。
この日のセミナーでも、「分かる」と「書ける」を体感できる、同書のエッセンスをワークも交えながらお話し頂きました。
<特別セミナーの内容>
1. コンセプトの定義と条件
2. インサイトの見つけ方
3. 機能と価値を仕分ける手法
4. コンセプトを言語化する具体的方法論
5. 顧客目線で設計するストーリーのつくり方
詳細はぜひ著書をお買い求めいただければ(もしくは、KIT虎ノ門大学院での講義を受けていただければ)と思いますが、表面的なライティングのテクニックではなく、ビジネスやマーケティングの理論に裏打ちされた実践的な考え方?フレームワークを多数ご紹介いただき、目からウロコの90分でした。
その後は、KIT虎ノ門大学院の三谷宏治教授も交えてのミニ対談セッション。会場からは例えば以下のような質問が寄せられました。
「時代の変化や大きな出来事(例:コロナのような感染症の拡大)によってコンセプトが変わることもあるのでは?」
「個人で考えるのか、チームメンバーなど周囲の人を巻き込みながら進めるといいのか?」
「会社全体のコンセプトを考える時には、顧客以外にもステークホルダーが多いがどうしたら良いか?」
参加者の皆様が実際に手を動かし、頭に汗を書いた後だからこそ浮かび上がる、実践につながる質問ばかり。これらの質問に対し、細田氏そして三谷先生がそれぞれの意見を述べ、この時間も大いに盛り上がりました。おかげさまで当初の終了予定時刻は大幅に過ぎてしまいましたが、細田氏のもとには名刺交換を希望する方々の長い列ができていました。
KIT虎ノ門大学院では、今後もこうしたイベントを開催してまいります。2024年度より細田氏が客員教授として担当する「マーケティング?コミュニケーション特論」を受講したいと思った方は、ぜひ本学への進学、もしくは1科目から学べる科目等履修生での受講をご検討ください!