記事詳細
文部科学省の国際科学イノベーション拠点「革新複合材料研究開発センター」
2014年3月完成目指す
文部科学省が全国15の拠点で整備をする「国際科学イノベーション拠点」として、「革新複合材料研究開発センター」の建設が金沢工業大学やつかほリサーチキャンパスで進められています。完成は2014年3月を予定しています。
地場産業である繊維産業の強みを生かし、産官学一体となって次世代複合材料を創出する世界的なイノベーション拠点を目指します。
「国際科学イノベーション拠点」は、文部科学省が革新的課題の研究開発に異分野融合体制で取り組む「場」を全国15の拠点で整備するもので、「革新複合材料研究開発センター」は、石川県と金沢工業大学、金沢大学、北陸先端科学技術大学院大学の3大学、東レ、コマツ産機、大和ハウス工業により共同提案されました。東京大学や神戸大学なども参画したAll JAPAN体制で、炭素繊維新素材の実用化を目指します。
炭素繊維複合材料は軽くて強いため、航空機で使用すると燃費が飛躍的に向上するなど、金属に代わる材料として期待されていますが、その原料となる炭素繊維や樹脂は資源の枯渇が懸念されている化石燃料から製造されており、その製造工程においても、多大なエネルギーを消費しているため、製造工程には、環境負荷を低減する余地があります。さらに、価格面での問題から、現在は、航空機などへの限定的な用途に留まっています。
センターでは、化石燃料の代わりに、樹木や竹、草木などの天然資源由来の原料から安価で高機能な「次世代複合材料」を創出し、低エネルギー消費でCO2削減に貢献する次世代自動車やクリーンなエネルギーを供給する風力発電、高齢者の暮らしを手助けするロボットスーツや生体適合性を持ち合わせた人工関節、災害に強く長寿命な社会インフラ(橋梁や道路、トンネル)や超大型構造物などへの展開を目指します。
関連ニュース