記事詳細
大人もなぜか夢中になる知育菓子? 作成後も脳の活性化が持続することが判明 。神宮研究室の沖沙矢佳さんがクラシエとの共同研究で
子供が知育菓子®を作成している最中に、前頭前野が活性化するとの報告がありますが、作成後も活性効果が持続することが、大学院工学研究科システム設計工学専攻博士前期課程1年の沖 沙矢佳さん(神宮研究室)が昨年度、学生を対象に行った研究で明らかになりました。
NIRS(近赤外線分光法)を使って検証したもので、オリジナルの色を作った場合に特に効果が持続するため、知育菓子の新たな遊び方として注目を集めそうです。
沖さんは現在、脳波を使った知育菓子の効果分析にも取り組んでおり、今年9月に芝浦工業大学豊洲キャンパスで開催される第21回日本感性工学会大会での発表を予定しています。
【NIRS(近赤外線分光法)と心電計を使った検証実験について】
実験は沖沙矢佳さんが心理情報学科4年在学中にクラシエホールディングス株式会社とクラシエフーズ株式会社との共同で行われました。被験者として知育菓子を未経験または幼少時以降経験無しの学生10名が参加。知的課題Iに10分間取り組んだ後、知育菓子を作成し、作成後、知的課題IIに10分間取り組む、という実験として行われました。知的課題としては、300ピースのパズル5種類をランダムで使用。作成する知育菓子は、色や形状が特徴の「知育菓子A」と、オリジナルの色を作る「知育菓子B」の2種類とし、被験者は日を置いて、「知育菓子A」「知育菓子B」の両方に取り組みました。
実験に使用したNIRS(近赤外線分光法)は、近赤外線が頭皮や頭蓋骨を透過することを利用して、脳酸化ヘモグロビン(Hb)変化量を非侵襲で計測できます。
NIRSを使った実験の結果、知育菓子Aは知的課題I≒知的課題IIであったのに対して、知育菓子Bは知的課題I<知的課題IIとなり、知育菓子Bのほうが作成後も前頭前野が活性化し、集中力が上がっていることが確認されました。
また心電計を使った計測では知育菓子を作成することで副交感神経(√HF)が活性化し、リラックスしていることがわかりました。