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金沢工業大学革新複合材料研究開発センターのシーズ技術を活用。サンコロナ小田株式会社の「ハイサイクル成形用CFRTPシートの量産プラント」事業が科学技術振興機構の「研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラム」に採択。令和元年12月1日より事業開始
金沢工業大学革新複合材料研究開発センター(ICC)のシーズ技術を用いたサンコロナ小田株式会社(石川県小松市)の「ハイサイクル成形用CFRTPシートの量産プラント」事業が、国立研究開発法人科学技術振興機構の「研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) 企業主導フェーズ」に採択され、令和元年12月1日より事業が開始されました。
採択内容について
本プログラムは、大学等の研究成果に基づくシーズをもとに、研究開発型企業が事業化の難しい開発に果敢に挑戦し、イノベーションを創出することに公的資金で支援するプログラムです。
ICCではセンター?オブ?イノベーション(COI)プログラムの一環として、ICCが持つ樹脂反応制御技術によるランダムシートを原権利(シーズ)として、サンコロナ小田株式会社と革新的な熱可塑性CFRPランダムシートを共同開発しています。
熱可塑性樹脂を満遍なく含浸させた薄層炭素繊維テープを短冊状に切断し、ランダムに配置?積層させたもので、炭素繊維束が非連続で等方的に積層されているため、複雑形状をプレス成形加工することができ、かつ屈曲部も炭素繊維のばらつきが少なく強度が強い成形品が可能です。
サンコロナ小田は当シートを「Flexcarbon®」という名称で製品化を進めています。本プログラムの採択により、ICCのシーズを用いて、シートの大判化?高効率製造プロセスの検証を行い、量産における供給体制の確立と製造コストの削減を目指します。
当開発を通じて、ウエアラブルチェアなどの人に寄り添う用途からインフラ?自動車?スポーツといった用途に対して、各種CFRP製品の幅広い普及につながることが期待されています。