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松井くにお研究室が開発する「コード化点字ブロック」を用いた音声案内情報システムの体験会を、香林坊の国道157号線の歩道にて開催しました
金沢工業大学は、金沢河川国道事務所が試験フィールドとして提供する国道157号金沢市香林坊二丁目交差点から香林坊交差点の歩道で、情報工学科?松井くにお研究室が開発する「コード化点字ブロック」を用いた音声案内情報システムの体験会を、7月10日(日)13~17時に開催しました。
金沢工業大学と金沢河川国道事務所は、平成24年締結の「金沢工業大学と国土交通省北陸地方整備局との連携?協定に関する協定書」に基づき、コード化点字ブロックを用いた音声案内情報システムの試行に関して、令和3年度から連携?協力をしています。
今回の体験会は、高校生?盲学校の生徒など若者の意見を募る目的で行い、参加者は約30名で、盲学校の生徒も参加しました。参加者のうち半数は高校生等の若い方の参加者でした。参加者は、金沢学生のまち市民交流館(交流ホール)に集合し、松井教授によるコード化点字ブロックの説明を聞いた後、国道157号線に移動し、コード化点字ブロックを体験しました。体験では、松井研究室の学生が説明を行いました。
これまでコード化点字ブロックは、金沢21世紀美術館周辺や国立工芸館周辺、柿木畠振興会加盟店舗敷地内などに敷設されていますが、国道への敷設は今回が初めてとなります。また、今回敷設されたコード化点字ブロックは改良型で、これまでは点字ブロックの突起上部にコード化のためのマークをしていましたが、改良したブロックでは、突起の周囲にリング状にマークを施すデザインとなっています。リング状にマークを施すことで、マークが摩耗しにくくなる点が改良点となります。
コード化点字ブロックの研究開発、これまでの実証実験について
威廉希尔中文网站情報工学科 松井くにお教授(専門:人工知能)の研究チームは、2018年からAI技術を使った視覚障がい者向け歩行サポートシステムの開発に取り組んできました。このシステムは、点字ブロックの25個ある点に色をつけた「コード化点字ブロック」をスマートフォンのアプリで読み込むことで、音声情報を提供するものです。視覚障がい者の方に誘導の情報を提供できるほか、観光客や外国人に向けて観光情報を提供することができます。コード化点字ブロックは、歩行者の進行方向によって異なる情報の提示が可能で、1枚の点字ブロックにつき、2の25乗×4方向、つまり1億3,421万7,728通りの情報の提示が可能です。
開発は2018年10月から始まり、2019年1月12日に金沢駅東口地下広場でプロトタイプの検証実験を実施。同年12月には金沢市の協力のもと、金沢21世紀美術館周辺の24箇所にコード化点字ブロックを敷設し、2020年2月15日に情報案内の実証実験を行いました。2021年1月には国立工芸館周辺や柿木畠振興会加盟店舗敷地内など45箇所にコード化点字ブロックを追加敷設。金沢21世紀美術館から国立工芸館一帯、広坂?柿木畠地区を辿れるようにしました。
また、今年5月17日から5月19日に、国道157号線の香林坊二丁目交差点~香林坊交差点間の歩道の計25箇所に、コード化点字ブロックを敷設しました。今回体験会では、この157号線の歩道のコード化点字ブロックを使用しました。
Walk&Mobile -コード化点字ブロック認識アプリ
スマートフォンアプリ「Walk&Mobile -コード化点字ブロック認識アプリ」を使用すると、コード化点字ブロックから情報を読み取ることができます。下記リンクからダウンロードできます。
App Store(iOS)版:
https://apps.apple.com/au/app/walk-mobile/id1535368125
Google Play(Android)版:
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.matuilab.walkandmobile