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SDGs特別講演会「デジタル?エコノミーとBeyond SDGs」を11月12日(土)に開催し、サステイナブルな未来への展望、ゲーミフィケーション教材の可能性を共有。初代デジタル庁デジタル監?石倉洋子氏による基調講演のほか、学生によるゲーミフィケーション教材活用についての発表も

金沢工業大学SDGs推進センターが、11月12日(土)に「デジタル?エコノミーとBeyond SDGs」を全体テーマとしたSDGs特別講演会を開催しました。この特別講演会は、「Beyond SDGsイノベーション学会」第1回全国大会のイベントとして同時開催しました。

特別講演会は、SDGsおよびイノベーションに関連する組織の中核を担う中堅?若手層からの実務的な知見の共有を通じ、研究者と実務者間の連携及びその後の取り組みの発展をめざすこと、また、参加者間のコミュニケーションの促進を通じ、さらにその先の未来におけるポストSDGsの実現に貢献することをめざす目的で開催されました。講演会には、全国から会場33人、オンライン18人の参加がありました。

開会挨拶では、開催地である野々市市の粟貴章市長が、社会課題やSDGsにフォーカスするトレンドの中で、若者の活躍でサステイナブルな街づくりをしていきたい旨を述べました。続いて金沢工業大学SDGs推進センターの平本督太郎所長が、Beyond SDGsイノベーション学会の学会誌の中で取り上げられた論文?記事のトピックとして、今回の学会テーマであるデジタル?サステイナビリティと親和性の高い未来技術、DX(デジタルトランスフォーメーション)、EBAなどのデータサイエンス関連のものが複数あったこと、そしてそれらの分野への産業界の注目が高まっていることなどについて触れました。

開会挨拶を行う野々市市長の粟氏

基調講演では、「デジタル、サステイナブルなTransformationを実現するには?」というテーマで石倉洋子氏(一橋大学名誉教授、初代デジタル庁デジタル監)と深堀昂氏(avatarin株式会社代表取締役CEO)による講演?パネルディスカッションが行われました。

石倉氏による講演

深堀氏による講演

石倉氏は「個人が鍵」というメインメッセージとともに、日本のデジタル化の遅れとデジタル人材不足、地方と中央政府のデータ連携の難しさなどの日本が直面している課題に触れた後、これからは個人が解放される時代に向かっていて、最終的に「あなた」が何をするかが重要であると述べました。また、個が重要であることと一人でやることは同じではなく、個で動くことで自然と輪ができ、ルーズな形での組織?コミュニティができあがっていくことを説明しました。

深堀氏からは、人類の移動を解決したいという大きな目標から起業し、AIや遠隔操作技術を活用して人のスキルを伝送するような、人間のスキルを拡張するビジネスを目指している旨の紹介がありました。そして、起業を考えている若者に向けたメッセージとして「人類の〇〇に関する課題を解決する」といった地球規模のビジョンを持つことの重要性、指数関数的に成長しているテクノロジーを用いた課題解決、地球規模でのコラボレーションの重要性を訴えました。

基調講演に続いて行われたセッションでは、経営情報学科の大澤潤講師をモデレータとし、「ゲーミフィケーションとSDGs教育」をテーマにした研究?活動報告を行いました。このセッションでは、SDGsをより「分かりやすく」、そして「楽しく」学ぶことができる手法として、ゲームの要素や考え方を考慮したゲーミフィケーション教材を取り上げました。

最初に、SDGs推進センターの薮内一葉氏が「SDGsゲーミフィケーション教材を用いたプロソーシャルモチベーション向上のための手法に関する研究」として、SDGsゲーミフィケーション教材を用いた効果をアカデミックな視点から発表しました。続いて、SDGsゲーミフィケーション教材の作成について多数の経験を持つ株式会社LODU(金沢工業大学発大学ベンチャー)の亀田樹氏が、「SDGsゲーミフィケーション教材の可能性と開発実践事例」というタイトルで、教材開発のプロセスと重要なポイント、また企業や自治体、教育機関などとの連携事例について発表を行いました。

最後に、金沢工業大学の学生団体である「SDGs Global Youth Innovators」の大森大輝さん(経営情報学科3年生)、前出真希さん(同)が「SDGsゲーミフィケーション教材の展開事例」として、SDGsゲーミフィケーション教材の活用について発表を行いました。SDGsの目標に関係するトレードオフの解消に向けたアイデアを創出する「THE SDGs アクションカードゲーム X(クロス)」など、様々なSDGsゲーミフィケーション教材や、それらの教材を用いたワークショップの企画と運営経験について説明しました。

薮内氏の発表亀田氏の発表

大森さんの発表前出さんの発表

特別講演会を通して、基調講演で「個が鍵である」「地球規模で課題を考えよう」と非常に広い視野でのメッセージを共有することができました。また、後半のセッションでは、若者(学生、金沢工業大学発ベンチャー、金沢工業大学若手職員)の活力を非常に感じることができ、ゲーミフィケーション教材の検証?開発?普及について学びの多いセッションとなりました。

SDGs推進センター主催特別講演会(Beyond SDGsイノベーション学会第1回全国大会同時開催) プログラム

開催日時:2022年11月12日(土) 13:00~17:00

テーマ:デジタル?エコノミーとBeyond SDGs

開催場所:金沢工業大学 扇が丘キャンパス イノベーションホール、SDGs推進センター(オンラインとのハイブリッド開催)

【実行委員】

狩野剛(大会実行委員長、経営情報学科 准教授)

大澤潤(大会実行副委員長、経営情報学科 講師)

【司会】

藤本雅則(機械工学科 教授)

【プログラム】

13:00-13:20 開会の挨拶

来賓挨拶:粟貴章氏(野々市市長)

主催者挨拶:平本督太郎氏(金沢工業大学 SDGs推進センター所長)

13:20-14:20 基調講演

「デジタル、サステイナブルな Transformationを実現するには?」

登壇者:石倉洋子氏(一橋大学名誉教授、初代デジタル庁デジタル監)、
深堀昂氏(avatarin株式会社 代表取締役 CEO)

14:35-15:40 セッション

「ゲーミフィケーションと SDGs教育」

発表1:SDGsゲーミフィケーション教材を用いたプロソーシャルモチベーション向上のための手法に関する研究
発表者:薮内一葉氏(金沢工業大学 SDGs推進センター職員)

発表2:SDGsゲーミフィケーション教材の可能性と開発実践事例
発表者:亀田樹氏(株式会社 LODU)

発表3:SDGsゲーミフィケーション教材の展開事例
発表者:大森大輝さん、前出真希さん(金沢工業大学 学生団体 SDGs Global Youth Innovators 共同代表、経営情報学科3年)

15:40-15:50 クロージング

16:00-17:00 SDGsゲーミフィケーション教材説明?体験会

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