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「第15期 野々市市民カウンセラー連続講座」を 学びの杜ののいちカレードで7月1日(土)?8日(土)に開催

金沢工業大学心理科学研究所と野々市市福祉総務課は、7月1日(土)?8日(土)の2週に渡り、野々市市民?野々市市に関係する方々を対象とした「第15期?野々市市民カウンセラー連続講座(以下 本講座)」を学びの杜ののいち カレード(野々市市立図書館)研修室にて開催しました。本講座は本学心理科学研究所と野々市市福祉総務課との協働により、平成26年度以降継続的に実施しているもので、受講者は「周囲の人の話や悩みを聴くコツ(傾聴)」や「難しい相談に際し紹介先となる専門窓口」を学ぶ講座となっています。

カレード研修室:木々の緑に癒され、落着きがあり開放的な空間での研修

今回は、会場が「学びの杜ののいち カレード(野々市市立図書館)」であることから、図書館司書の方の協力も得て、初めてのコラボ企画として、「関連図書の紹介コーナー」を設けたところ、早速 貸出しがある等、更に興味や理解を深める一助となっています。

関連図書紹介コーナー院生による悪い例/良い例のロールプレイ実演

第15期は、10代~70代まで計22名(市民16名と本学学生6名)が参加。また、本学大学院臨床心理学専攻の教員4名(大矢寿美子教授、松本圭教授、山上史野准教授、伏島あゆみ准教授)と大学院生6名、野々市市福祉総務課から課長を含めた3名が運営を担いました。

「傾聴」とは、コミュニケーションの基礎となるもので、カウンセリングだけでなく普段の生活や仕事、またプロジェクト活動など、人と関わるすべての活動において活用できるスキルです。当講座では「傾聴」に関する心構えを学ぶだけでなく、傾聴スキルを磨くため、実際に聴き手?話し手に分かれて「ロールプレイ」を重点的に行うことを特徴に掲げ、望ましいコミュニケーションのスキルをステップバイステップで学習できるようにしています。

傾聴ロールプレイ中の受講者と、それを見守る先生方や院生

また、班替えによって、毎回、異なる受講者同士でロールプレイを行うため、受講者にとっては異なる立場や年齢層の市民と触れ合う機会にもなっています。特に、普段、地域の方と触れ合うことの少ない学生によっては、世代や分野を超えた交流を深める貴重な経験の場にもなっています。

加えて、日常的な「よいこと」を記録するといったウェルビーイング向上のためのワークを通した学びや、また相談を受けた際に適切な窓口につなげるため、野々市市の担当者より、こころの悩み、多重債務、子育て?教育、DV、いじめ、自殺対策 等の各種相談窓口等の社会資源情報を学び、幅広い知識を得ることができます。

実際に、受講者からは、「自分を受けとめてくれることが、こんなに嬉しく楽しいことだと感じた」、「日常の中に意外と良かったことがあることが分かり、前向きになれた」、「自分自身に少し自信を持てた」、「今後は、良い隣人になっていきます」といった感想や意思表明が寄せられ、受講者は「傾聴スキル」にとどまらず、ウェルビーイングが高まることを実感できる講座となりました。

また、「子育てや介護の立場の話題もあったほうがよかった」、「もう少し回数が多いとよかった」などの声もあり、今後も多くの意見を取り入れ、より多くの関係者と協働して社会貢献(他者の役に立てる)に繋がる学びの場となるようブラッシュアップしていきます。

野々市市民カウンセラー連続講座のこれまでの活動

本講座(第1期)は、平成26年度に野々市市と金沢工業大学が連携して発足した事業で、「傾聴」についての講座の実施により、傾聴力を身に付けた人材=市民カウンセラーを野々市市内に増やすことで、野々市市をさらに住みよいまちにすることを目的としています。過去は4~5日間に渡る日程で、野々市市庁舎や金沢工業大学で年に2回開催していました。新型コロナ感染症拡大に伴い、令和2年度は中止となりましたが、これを機に令和3年度からは野々市市にぎわいの里ののいち カミーノに会場を移し、アクリル板設置や換気ができ、密にならない等の感染予防が可能な1Fホールにて再開しました。令和4年度はコロナ前と同じ年2回の開催に戻し、学びの杜ののいち カレード(野々市市立図書館)研修室を新たな会場に加え、野々市市との更なる関係性を深めています。

第1期から第15期終了までの総修了者数は、これで324名となり、野々市市の総人口の約54,000人に対し約0.6%を占めるに至りました。これからも市民間の自然な援助の活性化や孤立?孤独の予防に貢献できるよう当講座を継続していきます。

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