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モータや電装回路、回生ブレーキ、CFRP製ボディまで学生が自作。夢考房エコランプロジェクトがEV新車両"Falke"を秋田でお披露目。
夢考房エコランプロジェクトが、8月11日、12日の2日間の日程で秋田県の大潟村ソーラースポーツラインで行われた『2023 ワールド?エコノ?ムーブ』に自作EVの新車両"Falke"で出場し、優秀賞を受賞しました。
『ワールド?エコノ?ムーブ』は各チームに同一条件の鉛蓄電池バッテリーが支給され、それぞれの性能に合わせた走行計画のもとにバッテリーを使いきって走行した距離を競う競技会。大潟村ソーラースポーツラインの南側往復 6 km のコースを使って行われます。
夢考房エコランプロジェクトの新車両"Falke"は2022年に完成した新車両で、今大会が初めての"お披露目"となりました。電気代約3円分のエネルギーで9周、58.07602kmを走行しました。
新車両"Falke"の特徴
●モータ、電装回路、回生ブレーキ※の組込などを自作。
※回生ブレーキ:
エネルギー保存の法則を利用したブレーキ。 モータを発電機として作動させ、 運動エネルギーを電気エネルギーに変換することで、制動として利用する。変換された電気エネルギーは蓄電池に蓄え、再利用できる。
●ボディはCFRP(炭素繊維強化プラスチック)で製作。先代車両Wakeの一体型から前後に分割構造へ変更。
●ドライバーの負担を軽減するため、前方に大きな開口部を設け、前方確認をしやすくした。
●後方、側方確認のための開口部も形状を変更し視界を拡大させた。
●キャノピー形状(コックピットを覆う透明な円蓋)の最適化により、カーボンプリプレグ※の重ね合わせによる重量増や成型の難しさなどを改善。
※カーボンプリプレグ:炭素繊維に熱硬化性樹脂を含浸させたシート状の材料。
●空力性能向上をめざした滑らかなデザイン。
カウル(車体を覆う部品)製作の際、窓形状を考慮しながら、軽量かつ走行中の風圧に負けない剛性を両立。カウルは曲面のため、カーボンプリプレグをうまく貼らなければ皺や形のズレなどが大きく出てしまう。分割構造とすることで、位置に応じた貼り方を取ることができ、軽量かつ、たわまないカウルを製作した。