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トンネル工法の一つ「気泡シールド工法」をAIで予測?最適化。大学院環境土木工学専攻の中島あおいさんが、令和5年度土木学会中部支部研究発表会 優秀講演者賞を受賞
大学院環境土木工学専攻博士前期課程1年の中島あおいさん(高原利幸研究室)が、土木学会中部支部研究発表会で優秀講演者賞を受賞しました。
2024年3月1日に名古屋工業大学で対面方式で開催された令和5年度土木学会中部支部研究発表会で発表したもので、発表された316編の研究発表の中から35歳以下の若手研究者を対象として、複数の審査員による審査結果を経て47名が受賞に至りました。
今回受賞した研究課題は、トンネルを掘り進むために使用される工法の一つ「気泡シールド工法」に関するもので、シールドマシンから注入される気泡の最適な圧力や量を、技術者の経験によらず、AIを使って予測し最適化することに取り組みました。
当研究は2023年9月から4ヶ月に渡る長期インターンシップにおいて、前半2カ月の配属部署での研究成果でした。企業における研究開発のスピードに刺激を受け、後半2ヶ月で他の仕事をしながら、概要をまとめ投稿および発表をしました。
なお中島あおいさんは、2023年7月の地盤工学研究発表会でも「月南極地域での斜面を利用した効率的な太陽光パネル設置とその安定に関する研究」で優秀発表者賞を受賞しています。
【受賞題目】
シールドマシンの屈進データを用いた AI による地山の粒度分布予測とパラメータ最適化
【著者】
中島あおい
【講演要旨】
シールドトンネル工法には幾つかの方法があるが、そのうち気泡シールド工法においては、気泡注入の圧力や量を掘削地盤の間隙の状態に応じて変化させる必要があり、現在は経験のある技術者が調整を行う必要がある。これを将来的に、シールドマシンの掘削時のデータから推測を可能にできないかという問題に取り組んだもので、特に教師データの最適な取り方について検討している。その結果、単純に何mおきに学習させるというのではなく、地盤の性状が変化するところで多く学習させることが重要であることを明らかにし、事前のボーリング調査等と組み合わせることで、現場実装の実現可能性が高くなることを示唆した。
【関連ページ】
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