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【作品の動画あり】株式会社システムサポートの社員として5か月間、Microsoft HoloLens 2 向けMRコンテンツの開発などに従事。情報工学科3年の石村 諒さんがKITコーオプ教育プログラムに参加
情報工学科3年の石村 諒さんが金沢工業大学の産学協同教育「KITコーオプ教育プロクラム」の一環で、2023年10月~2024年2月までの5か月間、株式会社システムサポート(石川県金沢市)の社員となり、同社が金沢市内で運営するMicrosoft Base Kanazawaで、XR(クロスリアリティ)の開発に従事しました。
金沢工業大学では、Society5.0をリードする人材育成を目指して、社会という実フィールドで学生が課題解決に産学連携で挑む「KITコーオプ教育プログラム」を国内に先駆けて2020年度より推進しています。
インターンシップが、企業により策定された職場体験に学生が短期間?無給で参加するのに対し、KITコーオプ教育プログラムでは、企業の第一線で活躍する技術者を「実務家教員」として招聘し、学生が企業で実際の業務に長期間従事します。プログラムそのものを大学が主体となって作成し、学生が業務に従事する間は給与が発生するのもインターンシップとの大きな違いです。学生にとっては授業で学んだ知識や理論を企業実務で実践できる理想的な教育プログラムであるとともに、企業にとっては企業内研修やOJT(On-the-Job Training)に時間やコストをかけにくくなっている状況の中での新たな専門人材育成プログラムとなっています。
石村さんはシステムサポートにて、XRの基礎的な学習から Microsoft HoloLens 2 を用いたMRアプリ開発までを行いました。
システムサポートで行われた「KITコーオプ教育プログラム」の概要は以下のとおりです。
■KITコーオププログラム 実施概要
コーオプ教育テーマ | XR技術を用いた地方創生実現に向けた研究および開発 |
受け入れ人数 | 1名 |
受け入れ期間 | 2023年10月~2024年2月 |
就業実績 | 受け入れ期間中の約32日/約216時間 |
就業場所 | Microsoft Base Kanazawa(システムサポートXR開発拠点) |
主なカリキュラム | ?MRとHoloLens の概要学習 ?Unity(米ユニティ?テクノロジーズが開発?販売しているゲームエンジンおよびゲームの統合開発環境(IDE))等の開発に必要な技術学習 ?3Dモデリング(観察学習)とアニメーション学習 ?HoloLens 2 を用いたMRアプリ開発 ?MRプロジェクト(学んだスキルを活用したMRプロジェクトの計画、設計、開発、デモンストレーション、改善等) ?Microsoft Copilot を使用した開発短縮の経験 |
アプリ開発実績 | MRリズムゲーム開発 |
【成果発表会を2月に開催】
成果発表会は2024年2月29日(木)、金沢工業大学扇が丘キャンパスChallenge Labにて行われ、石村さんは、5か月間、システムサポートの業務に従事して得られた成果や開発した「MRリズムゲーム」アプリについて発表しました。
【石村さんが開発した「MRリズムゲーム」アプリ】
前提知識が不要で誰でも短時間で楽しめるMRコンテンツ制作を目標に掲げて、石村さんが就業期間中に学んだスキルを活用して開発したのが「MRリズムゲーム」です。MRリズムゲームは、手前に迫ってくる音符を手でタッチして操作することで音楽を演奏できるMRアプリゲーム。使用するデバイスであるMicrosoft HoloLens 2の仕様に合わせてシステムを開発し、実機で発生した課題やデモンストレーション時に得た意見等に対して、原因の調査や改善を重ね、完成に至りました。
「MRリズムゲーム」体験イメージ
①右手に「赤い球体」、左手に「青い球体」をつけてスタンバイします。
②奥の7つの円から手前の7つの円に向かって、「赤い音符」と「青い音符」が流れてきます。
③「赤い音符」を右手の「赤い球体」で、「青い音符」を「左手の青い球体」でタッチすると音楽が演奏できる仕組み。正しくタッチしてハイスコアを目指します。
「MRリズムゲーム」は以下の動画でご覧になれます。
石村さんが開発した「MRリズムゲーム」
そして石村さんは「一つひとつ自分で考えた機能が実装できていくのは、とても楽しく夢中になれた」、「XRの開発者のイメージが掴めた」、「より多くの意見を取り入れることで、さらにユーザに寄り添ったコンテンツにできると感じた」「コミュニケーション能力や先を見通す力、物事を組み立てて考える力、コストを意識する癖を学んだ」とシステムサポートでの5か月間のコーオプ教育プログラムを振り返りました。
金沢工業大学では今後も社会実装型教育研究である「KITコーオプ教育プログラム」を推進し、DX(デジタルトランスフォーメーション)、GX(グリーントランスフォーメーション)、SX(サステナビリティ?トランスフォーメーション)を牽引する人材育成を目指してまいります。
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