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大学院バイオ?化学専攻の中村華緒さんが「美味技術学会 第24回 広島例会」で優秀発表賞を受賞

大学院工学研究科バイオ?化学専攻博士前期課程2年の中村華緒さん(袴田研究室、野村研究室) が、2024年11月21日~22日に東広島市で開催された「美味技術学会 第24回 広島例会」で優秀発表賞を受賞しました。

農産物をはじめとする食品全般のおいしさに関する研究を学術的な立場から推進し、既存技術の発展と新規技術の開発に貢献することを目的とした「美味技術研究会」では、毎年、例会や学会誌の発行、シンポジウムなどを実施しています。
「美味技術学会 第24回 広島例会」は、優れた研究発表を学会として顕彰するとともに、学生など学会員の例会参加の動機付けや研究への意欲を高める目的で実施しており、今回中村さんが発表した「代替卵素材探索のための各種豆類由来タンパク質泡沫の特性解析」が優秀発表賞として選ばれました。審査員からは「泡沫特性の説明も分かり易く、論旨も明快でよい。応用期待できる食品素材の加工適性に関わる研究。泡沫の特性を詳しく検討したことは将来の加工利用に役に立つ」などの評価を受けました。

【受賞タイトル】

代替卵素材探索のための各種豆類由来タンパク質泡沫の特性解析

【研究概要】

鶏卵は三大栄養素をバランスよく含み、特にタンパク質においてはアミノ酸スコアに優れた食品であるが、卵白の主要なタンパク質はアレルゲン活性も有しており、卵アレルギーは、日本の食物アレルギーの約40%、子供の食物アレルギーでは約60%を占めている。また近年では、畜産などによる温室効果ガスの排出、水や土地に対する環境負荷が問題となっており、植物由来タンパク質 (Plant-Based Food; PBF) が注目されている。
植物由来タンパク質である代替卵は、上記のようなアレルギー問題などから注目されているが、既存の市販製品では卵の加工特性のうち凝固性しか有しておらず、オムレツなど一部の用途にしか使用できず、原材料もほとんどはダイズのみしかない。本研究では、卵の泡沫特性に着目し、10種類以上の豆類タンパク質を抽出し、その泡沫特性やケーキに加工した場合の食感などを網羅的に解析した。本研究により、これまで着目されていなかったウズラ豆や白花インゲンなどを新たな代替卵素材として見出すことができた。これにより各豆類の代替卵素材としての有効活用や新しい加工用途への応用が期待できるだけではなく、卵アレルギーの子供達でも食すことのできる新しいスイーツの開発や、今後の持続可能社会へ向けたSDGs達成などにも大きく貢献できる。

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美味技術学会

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