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【2月15日(土)開催】金沢工業大学ライブラリーセンターで『金沢工大ミライバ2025~未来をつくる学びの場~』が開催

金沢工業大学が取り組む新しい教養教育「金沢工大ミライバ」(科目名称:プロジェクト?ベースド?リベラルアーツI)では、学生が石川県内の複数のミュージアムを訪問しながらリベラルアーツの学びを深めています。その成果として、2月15日(土)に金沢工業大学ライブラリーセンターにて、リベラルアーツの学びを深める学生が、「気づき」を起点とした学窓を来場者と共創する公開イベントを開催いたします。一般の方も参加もできますので、ご興味のある方はぜひ足をお運びください。
また、本公開イベントは、金沢21世紀美術館主催「すべてのものとダンスを踊って一共感のエコロジー」関連企画「もっと踊ろう!共感のエコロジー」に位置づけられています。

会期|2025年2月15(土)13:00~17:00
場所|金沢工業大学ライブラリーセンター(石川県野々市市扇が丘7-1)

Instagram https://www.instagram.com/miraiba.official/

X https://x.com/miraiba_2025

チラシ(PDF)

【今年度の金沢工大ミライバで訪問させていただいたミュージアム】
?石川県立美術館(2024/08/05)
?国立工芸館(2024/08/06)
?石川県西田幾多郎記念哲学館(2024/09/12)
?石川県金沢港大野からくり記念館(2024/09/13)
?能美ふるさとミュージアム(2025/01/28)
?金沢21世紀美術館(2025/02/04 ※大雪のため中止)

実施体制:田中 孝治 准教授(心理科学科)、野見山 桜 主任専門員(五十嵐威暢アーカイブ/デザインアートラボ)、鯉沼 晴悠 専門員(五十嵐威暢アーカイブ/デザインアートラボ)、新 聖子 准教授(プロジェクトデザイン基礎教育課程)、浦 正広 講師(威廉希尔中文网站情報学科)、勝原 基貴 講師(建築学科)


金沢工大ミライバ(1月期レポート)

心理科学科 田中孝治 准教授

第7回~第8回の月1回(10月9日,11月6日,12月4日)の講義を経て、2025年1月28日に第10回の講義が開催されました。第10回は、学内で「鑑賞と推論」「推論と問題解決」に関する事前学習を行い、その後、石川県能美市にある『能美ふるさとミュージアム』に訪問してきました。
能美ふるさとミュージアムは、能美の自然?歴史?民俗について学べる歴史博物館です。現地では、最初に学芸員の方に展示解説をしていただきました。最初に向かったのは、旧石器時代から弥生時代の展示エリアです。そこでは、1960年に一人の考古学ファンの中学生が遺跡を発見したことによって、旧石器時代における能美での人々の暮らしが初めて明らかになったことの説明から展示が始まります。一人の少年のあくなき好奇心と探求心が石川の考古学の歴史を変えた事実は、これから大学で研究に取り組む学生たちにとって、大きな刺激となっていたようです。

次に向かったのは、古墳時代の展示エリアです。能美ふるさとミュージアムは、能美古墳群のガイダンス施設としての役割をもっており、能美古墳群から出土した遺物が数多く展示されています。文字が刻まれた最古の須恵器など貴重な出土品の展示についての解説に、学生たちは興味津々に耳を傾けていました。8月期?9月期に訪れたミュージアムでの美術鑑賞や工芸鑑賞とは異なり、出土品や遺構という証拠から当時の状況を推論することが求められる鑑賞となりました。
続いて足を運んだのは、飛鳥?奈良?平安時代の展示エリアです。この展示エリアには、見せる収蔵庫があり、博物館が資料の活用(教育)の役割だけではなく、収集?保管の役割を果たす施設であることを改めて知る機会となりました。さらに最奥には、大正から昭和の展示エリアがあり、ここまでで、能美の2万年を駆け抜けたことになります。さらに、絹本著色白山曼荼羅図の解説では白山にまつわる伝承を聞くことで、白山連邦を眺める大学に通う学生にとっては、自分たちが過ごす地域の見識を広める機会となりました。

最後に、能美の自然の豊かさを感じるジオラマ展示やハンズオン展示を鑑賞し、展示解説を終えました。展示解説後には、自由鑑賞時間が設けられ、気になる展示を鑑賞したり、学芸員の方に質問したりと、学生たちは思い思いの鑑賞を楽しみました。これまでは鑑賞者視点の鑑賞が多かったですが、10月?11月?12月期の活動でイベント開催を意識したこともあり、イベントを企画?実践する視点(体験を創出する側の視点)からの鑑賞も見受けられました。

自由鑑賞後には、体験棟にて、発掘調査における作業工程の一つである「トレース」作業を体験しました。発掘調査は遺物を発掘して終わりではなく、調査研究として報告書にまとめる必要があります。報告書にまとめるにあたり、出土した遺物を計測して手書きで図化した実測図を製図用のペンで清書する必要があり、その清書作業がトレースと呼ばれます。今回は体験用に、出土品や能美市のキャラクターなどの線画が書かれた小さな紙にトレース用紙を重ねてトレース作業を行いました。失敗したらやり直しの作業のため、最初はぎこちない手の動きの学生らでしたが、時間が経つにつれ、スムーズなペン捌きが多く見られるようになりました。このような一見地道な作業が、研究にとって欠かせない作業であることを知ることも、これから大学で研究に取り組む学生たちにとって、重要な意味があったように思います。仕上げは、通常のトレース作業とは異なり、色鉛筆でトレースに着色した後、ラミネート加工を施し、リボンを通すことで栞にしました。この栞は来館記念のお土産として持ち帰りました。

2月に入るといよいよイベントが実施されます。今回の能美ふるさとミュージアムの鑑賞では、学生たちが、見る側の視点だけでなく魅せる側の視点に立って鑑賞していたことに、イベントの成功が近づいてきたように思います。

(関連ページ)

◆もっと踊ろう!共感のエコロジー
連携企画サイト:https://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=73&d=135

◆金沢工大ミライバの取り組み概要
ミライバ始動に関するニュース記事:/kitnews/2024/0802_miraiba.html
8月期の活動の様子:https://note.com/kit_ita/n/n3ca8e60c919f
9月期の活動の様子:https://2-221.com/docs/2024-09-15.html

金沢工業大学大学研究室ガイド 威廉希尔中文网站情報学部 心理情報デザイン学科 田中孝治 研究室

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