概要と特徴
即戦力の育成を実現する、教育の実質化のための仕組み
平成16年度から金沢工業大学大学院知的創造システム専攻(現KIT虎ノ門大学院)にて導入されている「ポートフォリオインテリジェンス」は、大学院教育の実質化の基盤となる新しい教育システムです。
成長目標の達成とそのプロセスを重視した教育を行い、大学院における即戦力人材の育成を実現するこのシステムは、他大学や企業からの視察?質問を受けるなど、注目を集めています。
「MPDCGサイクル」をベースに展開
ポートフォリオインテリジェンスの基本サイクルである「MPDCGサイクル」に沿って大学院での学習を進めることで、知的創造社会に求められるコアコンピタンスを、学生が自己主導で確立することができます。
- 【参考ページ】
- MPDCGサイクル
文部科学省の「大学院改革支援プログラム」にも採択
本プログラムは、文部科学省の公募事業「大学院教育改革支援プログラム(平成19年度)」に採択されました。これにより、オンラインでアクセス可能なデータベースを活用したポートフォリオの電子化を進めていきます。
- 【参考ページ】
- 今後の展開
- 「大学院ポートフォリオ教育による単位実質化」申請書 (PDF)
ポートフォリオインテリジェンスの特徴
一人ひとりのキャリア目標に沿って履修計画を策定
最初に、学生一人ひとりの現状のコンピテンシーを測定。将来のキャリアゴールとのギャップを把握した上で、在学中の成長目標を明確にし、それに沿った形で履修計画を策定します。
アクションラーニングで3次元のコンピテンシーを修得
「理論」→「実践」→「リフレクション(振り返り)」の3つのプロセスで学習を行うアクションラーニング。「知識領域」だけでなく、「思考プロセス」や「ヒューマンパワー」のコンピテンシー(3次元のコンピテンシー)を修得することが可能になる教育方法です。
成長目標の達成度とそのプロセスを重視した評価
これまでの大学院教育における成績評価と大きく異なるのが、修了評価の対象です。従来の評価は、研究論文や試験?レポートの内容に対して行われます。
しかし、ポートフォリオインテリジェンスでは、これらに加え、「大学院においてどのように自己学習が行われ、成果として何が得られたのか」、つまり成長目標の達成度とそのプロセスを総合評価します。
- 【参考ページ】
- Check: 成長目標の達成度を加味した実質的評価
学習のプロセスと結果を「ポートフォリオインテリジェンスファイル」に統合
プロセスの中で作成されるさまざまな文書は、「ポートフォリオインテリジェンスファイル」と呼ばれるファイルに統合されます。このファイルは、大学院での成長目標達成の裏づけとなるエビデンス(証拠)として、修了判定の材料となるもので、従来の修士論文に該当するものです。加えて、教員と院生のコミュニケーションツールとしても機能し、大学院教育の高度化と実質化に活かされています。
また、このファイルは、大学院修了後のキャリアアップにおいても有効活用することが可能です。