カリキュラムガイド 一覧
[2] 学部のカリキュラム
情報フロンティア学部 > 心理科学科
教育目標
人の心のはたらきについて理解し、それを役立てることは日常の生活の中においてのみならず産業界におけるものづくり、コトづくりにおいても重要になってきている。本学科では心のはたらきに関する知識を得ることに加え、心のはたらきを臨床現場に適用するための技術、感性と心のはたらきを科学的に測定し実社会に応用するための技術、脳?神経の仕組みと心のはたらきの関係を理解するための技術を持つ人材を育成する。
カリキュラムフロー
キーワード
- 感性と心のはたらき
- 脳?神経の仕組み
- データ解析技術
- 臨床心理学
心理科学科 科目概要
- all open
- all close
-
F301 情報フロンティア大意(心理科学)
本学部では、大学で修得した知識?技術を人間と社会に対する幅広い視野で活用し、人々の生活をより豊かにデザインできる人材の育成を目指している。そのため、この科目では、威廉希尔中文网站、心理、経営の各学びの領域の拡がりのみならずそれらの関連性や社会とのつながりについて教員、学生、院生、卒業生、専門分野の社会人と交流、討論することにより学び、各学科で修学する意義、物事の本質を考え、「なぜ?どうして?」を問いかける学習姿勢や自らの将来目標を実現するための修学計画能力を身につけることを目標とする。
行動目標●現代および将来における本学部?学科の役割を理解し、自身の修学計画を立案することができる。学科における「学びの領域」の拡がりや社会との関連性を理解し、学科で学ぶ意義について説明できる。「なぜ?どうして?」を問いかける学習姿勢の重要性を理解し、今後修学するための指針とすることができる。自身のキャリア形成プロセスを自身の言葉で述べ、それを第三者に伝えることができる。 -
F303 心理学概論A
心理学の全体像を学び、人の心のはたらきを理解するための基本的な視点を身につけ、心理学を応用していく力を獲得する。 感覚?知覚?記憶?認知?学習?思考などの分野について学ぶとともに、心理学が「心」をどのようにとらえ、どのように科学的な研究を行ってきたのか、という心理学の歴史や研究手法について、それぞれの基本的な事柄を概括的に学ぶ。
行動目標●心理学概論で学んだ基礎的なキーワードを挙げることができる。心理学で研究されているさまざまな領域の例を挙げることができる。心理学が日常生活にどのように応用できるかを考えることができる。 -
F305 心理学データ解析基礎
心理科学科のデータ解析科目では、心理実験で得られるデータの解析に対して必要な知識と技術を修得することを目的にしている。特に,本科目では表計算ソフトExcelの基本技術(データ加工、図表の作成)、Excel関数の使い方について時間をかけて学ぶ。
行動目標●Excelの基本操作を行うことができる。Excelで図表を作成することができる。Excel関数で計算を行うことができる。 -
F302 心理学概論B
心理学の全体像を学び、人の心のはたらきを理解するための基本的な視点を身につけ、心理学を応用していく力を獲得する。ヒトの発達、感情、パーソナリティ、集団における心のはたらきといった領域について学ぶ。心理学が「心」をどのようにとらえ、この領域においてどんな科学的な研究がおこなわれてきたのか、またこの領域に関連するの基本的な事柄について概括的に学ぶ。
行動目標●心理学概論で学んだ基礎的なキーワードを挙げることができる。心理学で研究されているさまざまな領域の例を挙げることができる。心理学が日常生活にどのように応用できるかを考えることができる。 -
F304 心理学研究法
心のはたらきを研究する心理学にとって、このはたらきをどのように明らかにしていけばよいかという研究方法は重要である。手にとって見ることのできない心を、客観的に研究するための手立てとして、基本的な実験?観察?調査?面接の4方法について学ぶ。この講義は、今後順次学んでいく心理学をより深く理解するために、心理学的研究の基本的な枠組みについて体験を通して学ぶ。また研究を行う際の倫理について理解を進める。
行動目標●実験の考え方を理解し、研究内容に応じた計画を立てることができる。観察の考え方を理解し、研究内容に応じた観察項目を設定することができる。調査の考え方を理解し、研究内容に応じた調査項目を設定することができる。面接の考え方を理解し、他の3つの方法との違いを説明することができる。心理学における研究法の重要さと特徴を説明することができる。 -
F316 臨床心理学概論
臨床心理学は心理学の理論を基盤とし、精神健康上の問題への介入?予防を目的とした応用心理学の1分野である。臨床心理学には、心のメカニズムを理解するための理論が多く含まれる。本講義では、代表的な理論および臨床実践の実際について、概括的に学習する。
行動目標●臨床心理学の全体像について理解することができる。代表的な臨床アセスメント手法や心理療法について概括的に説明できる。地域臨床(コミュニティ心理学)について説明できる。臨床心理学の臨床領域や日常生活での実践について説明できる。臨床心理に関わる倫理的配慮について考えることができる。 -
F309 心理学のためのプログラミング I
複雑な実験の作成や高度なデータ解析など、心理学における研究を実施する際にもプログラミング技術が必要なことが増えている。本科目はMATLABを使用してプログラミングの基礎を学ぶことで、より実用的な技術を学ぶための準備をすることを目的とする。
行動目標●MATLAB言語のプログラムソースを読みとることができ、自身の目的に応じて作り変えることができる。MATLAB言語を用いたプログラミングを行うことができる。MATLAB言語を用いて簡単なグラフィック描画のできるプログラムを作成することができる。 -
F310 心理学実験
個人差の内容や原因を明らかにしようとする差異心理学と異なり、実験心理学は、厳密な条件統制の下で、主に感覚?知覚?認知?学習?思考などの人の情報処理に関わる心のはたらきの一般法則を見つけ出すことを目的としている。本講では、心のはたらきを理解するために、最も基本的な考え方の1つである実験心理学的な理論、および条件分析的な実験計画法について学び、科学としての心理学を学ぶための枠組みを身につけることを目標とする。
行動目標●実験計画法について理解し、適切な心理実験を考案することができる。心理学実験で得られたデータを適切な手法で解析することができる。実験心理学の研究論文を読み、理解することができる。実験心理学における主要な研究で用いられた手法を理解し応用することができる。 -
F311 心理学統計法
心理学では実験?調査?観察で得られたデータから一般性を導き出すことが不可欠であり、そのためにはデータを記述し、統計的な検定を行う必要がある。この科目では統計的検定の基礎となる理論はもちろん、統計的検定の結果を適切に理解するために必要な知識を身につけることを目標とする。
行動目標●実験や調査で得たデータに対して適切な統計解析手法を選択することができる。適切な方法で統計解析を実施し、正しく解釈することができる。分布という考え方を理解することができる。母集団および標本という考え方を理解することができる。 -
F312 心理学基礎実験実習Ⅰ
心理学における基礎的な実験実験および演習を通して、心理学における実験の考え方を理解する。具体的には感覚?知覚、記憶および認知に関する基礎的な実験を行い、これらの心理機能に関する実験手法を修得し、さらにこれらの機能についての理解を深める。また、正確な結果を出すための実験の実施方法と、統計的な結果の分析手法、心理学実験におけるレポートの書き方についても学ぶ。
行動目標●心理学での実験の考え方が理解できる。心理学実験を適切に実施できる。結果に応じた適切な統計分析ができる。心理学の実験レポートを適切に作成することができる。 -
F307 教育?学校心理学
教育?学習場面における有効な実践のために教育心理学と学校心理学の二つの領域の基礎について理解することを目標とする。具体的には、学習?認知のメカニズム、3段階の心理教育的援助サービス、4つの援助領域について取り上げる。
行動目標●教育現場において生じる問題およびその背景について理解し、自分の考えを持つことができる。教育現場における心理社会的課題および必要な支援について理解し、自分の考えを持つことができる。自らで学習の目標を定め、学習の遂行を観察し、学習の自己評価を行うことを意識するようになる。 -
F315 心理調査法
心理学調査を適切に実施するために必要な技術や知識を,演習を通しながら学ぶ。学習トピックとしては,心理調査法の長所と短所,調査を実施する目的の明確化,質問紙作成の方法と配慮すべき点,調査対象者の検討,質問紙配布の方法の検討,調査実施,データ集計法,分析法,結果の効果的な提示,倫理的配慮などである。このような一連の詳細な手続きを学習する。
行動目標●心理調査法の一連の手続きを説明できる。様々な心理学の研究手法のうち,調査法を選択する根拠が説明できる。心理調査を実施する際配慮すべき点を詳細に考察し,応用できる。 -
F317 知覚?認知心理学A
人間が外界から情報を取り込む仕組みである知覚と、情報の選択過程である注意について学ぶことで、情報処理過程の包括的理解に繋げる。さまざまな感覚?知覚モダリティの相違点と共通点、またそれらの相互作用を知ることで、効果的な情報提示方法について考える。また、感覚?知覚によって取り込まれた情報を効率的に選択する注意の仕組みを理解することで、記憶や思考といった、より高次な情報処理過程への繋がりを考える。
行動目標●視覚の仕組みについて理解し、説明できる。聴覚の仕組みについて理解し、説明できる。触覚の仕組みについて理解し、説明できる。味覚?嗅覚の仕組みについて理解し、説明できる。感覚間の相互作用について理解し、説明できる。情報選択過程である注意の仕組みについて理解し、説明できる。 -
F306 感性評価法
私たちは多様な刺激を受けて日常生活を送っている。これらの刺激を情報として,様々に処理している。このような多様な情報処理のはたらきの中でも、情意が強く関わる側面が「感性」と呼ばれている。同じ刺激でも、気持ちの有り方によって、その処理結果は大きく異なってくる。本科目は、感性をどのように測定し評価すれば良いのかについて、実習を交えて理解を深めていく。身の回りの何気ない事柄を対象として,この測定?評価の手法の講義を進めていく。
行動目標●代表的手法でSD法を理解し活用できる。QDA法をはじめ多様な手法を体験しこれらの役割を理解できる。時間的に変化していく感性を測定?評価する手法の概略を把握できる。 -
F313 心理学基礎実験実習 II
心理学基礎実験実習Ⅰに引き続き、主に認知心理学の主要なトピックの基礎的な実験を実施する。実習を通して、要因計画の考え方や、実験者としてのスキルを身に着ける。また収集したデータの処理や結果の視覚化、統計的分析の実施、レポート執筆などを繰り返し実践することで、心理学研究において必要な知識や技術を習得する。
行動目標●心理学実験における要因計画の考え方が理解できる。心理学実験を倫理的な配慮を行いながら適切に実施できる。実験データの適切な視覚化および統計的分析ができる。客観的な心理学実験レポートを作成することができる。 -
F314 心理学データ解析応用
心理統計法に基づいたデータ分析をするために,解析用ソフトウェアを使いこなすことが欠かせない。この科目では汎用性の高い統計ソフト(主にR)を用いて,基礎から応用まで幅広い統計分析スキルを身に着ける。そして、データの特徴理解から適切な手法を用いた分析,さらには目的に応じて解析結果を描画するなどの一連のデータ解析能力を獲得することを目指す。
行動目標●統計ソフトを用いてデータの特徴を記述し、理解することができる。統計ソフトを用いて心理学研究で使用する分析(t検定、分散分析、多変量解析、効果量算出など)ができる。データの分析結果を適切に解釈できる。研究目的に応じて分析結果を効果的に表現できる。 -
F318 心理学のためのプログラミング II
心理学における最近の研究ではコンピュータを用いて複雑な実験を実施することが不可欠となっている。このような実験を行う際には、実験に必要な機能を持つアプリケーションを研究者自身が開発する必要となることが多い。この科目ではパソコン上で心理実験アプリケーションを作成するための技術を身につけ、自分自身で計画した実験を実行することを目指す。
行動目標●目的に応じた心理実験プログラムを適切に設計することができる。設計したプログラムをMATLABとPsychtoolboxを用いて実装することができる。実験プログラム内でグラフィック描画やタイマー機能、入出力デバイス使用といった機能を適切に使用することができる。 -
F319 健康?医療心理学
この科目では、医療をはじめとする保健活動の現場で、心理学を活かして働くために必要な基礎的な知識を身につける。主として医療現場における心理社会的課題を学び、必要な支援を考えたい。また日常生活で生じるストレスと心身の疾病との関係について学習し、心理的な支援の役割を理解する。さらに災害時等に必要な心理に関する支援について触れたい。
行動目標●ストレスと疾患の関係について説明できる。医療現場における代表的な心理的支援を挙げることができる。医療現場における公認心理師の役割を述べることができる。 -
F326 観察法
観察法は現象、心理学の場合は特に人の行動をよく見る、という最も基本的な科学的研究の手法である。また、観察法は仮説検証的な研究の他、探索的に仮説を生成するタイプの研究でも用いられる。この科目では、観察法の基本的な考え方、観察の計画の立て方、実施の仕方からデータの分析に至るまでを、実習を交えながら学ぶ。
行動目標●観察法の基本的な考え方を理解し説明できる。観察法を用いた適切なデータ収集ができる。観察によって得られたデータを適切に分析し、解釈することができる。 -
F333 脳生理データ解析演習
脳計測や生理計測で得られるデータは計測時間の長さと時間分解能の高さから大容量になることが多いため、一般的用途の表計算ソフトだけで扱うのが困難な場合がある。また、事象関連データの加算平均や周波数解析など、一般的な心理実験や調査データの解析では用いられない、脳?生理データで特に頻繁に用いられる計算手法もある。この科目ではデータ解析用のソフトウェアを用いて、大容量データの整理、解析手法を学び、演習課題を通してその技術を確かなものとする。
行動目標●数値計算用ソフトウェアを用いて大容量データを適切に扱うことができる。数値計算用ソフトウェアを用いて事象関連データの解析を適切に行うことができる。数値計算用ソフトウェアを用いて周波数解析を適切に行うことができる。数値計算用ソフトウェアを用いて時系列データの解析を適切に行うことができる。 -
F320 人体の構造と機能及び疾病
この科目では、心身機能と身体構造及び様々な疾病や障害を学ぶとともに、がんや難病等の心理に関する支援が必要な主な疾病を理解する。身体の構造としては、細胞と組織から始まり、各種器官と器官系(循環器系、消化器系、脳神経系、呼吸器系、骨格筋系、免疫系、内分泌系、血液系)を学習する。その後、がんや糖尿病など身体疾患にともなう精神症状に対して、心理的ケアが必要な疾患を学ぶ。また医療現場における多職種連携について理解し、公認心理師の役割について考える。
行動目標●基本的な人体の構造を理解することができる。各器官系の役割を大まかに述べることができる。医療現場における多職種連携について述べることができる。 -
F321 神経?生理心理学
認知という複雑なシステムを理解するためには、その基盤となる脳の構造と機能を理解することが重要である。この科目では神経細胞のはたらき、脳の構造、脳の機能および脳の研究法に学ぶことで、脳と脳における情報処理について学ぶ。また脳機能の障害である高次脳機能障害について、その原因と症状および心理職としての関わり方について学ぶ。
行動目標●脳の構造とその成り立ちについて理解し、説明することができる。脳の機能について理解し、説明することができる。生体の脳の研究法について理解し、説明することができる。脳に関する最近の研究論文を読み理解することができる。高次脳機能障害について理解し、心理職としての関わりについて説明することができる。 -
F322 社会?集団?家族心理学
社会心理学は、人と人との関係そして人が構成する社会と人の関係を扱う。個人の側面から考える社会心理学と、社会の側面から考える社会心理学との両面について学び、家族、集団、文化と個人の関係を理解することが目的である。
行動目標●対人関係について理解できる。態度の意味と役割について理解できる。家族、集団、文化と個人とのかかわりについて理解できる。群衆のはたらきについて理解できる。 -
F323 心理学的支援法
心理学および臨床心理学の知見を活かした支援を包括的に学ぶ。代表的な心理療法の歴史や概念などの基礎知識を習得し理解するとともに、地域支援や心の健康教育、支援の対象者の関係者への支援における心理職の役割を考えていく。また支援者として必要なコミュニケーションの方法を習得すると同時に、プライバシー保護や倫理的事項への配慮の仕方を学習する。
行動目標●代表的な心理療法についてその概要や特徴を説明できる。個人心理療法以外の心理職の支援内容について説明できる。支援者としての基本的なコミュニケーション能力を習得できる。支援における倫理的配慮には何があるか説明できる。 -
F324 学習?言語心理学
人間の知的行動を支える言語?学習といった高次の認知過程について学ぶ。行動主義の学習理論に始まり、認知心理学における知識獲得のモデルについて紹介する。加えて、コミュニケーションと思考の道具としての言語の特徴とその獲得過程について解説する。この知識に基づいて、自分たちの日常場面での活動を改善していけるようになることを目標とする。
行動目標●学習の様々な種類を理解できる。学習と言語獲得における社会的文脈の役割について理解できる。一般的な学習とは異なる言語獲得の特徴について理解できる。学習、思考、認知における言語の役割を理解できる。 -
F325 産業?組織心理学
産業の場を念頭において、小人数のチームから企業などの大きな組織までの組織の心理的挙動と、労働環境などによるストレスの問題と、キャリア形成に関する心理学的視点とについて、産業?組織心理学の立場から学ぶ。
行動目標●組織の中の人間の位置づけが理解できる。リーダーの特性が理解でき評価できるようになる。キャリア形成を心理学の視点から理解でき、自らの形成に活かすことができる。 -
F327 障害者?障害児心理学
この講義では,さまざまな障害を理解するとともに,障害のある個人を取り巻く制度(教育,就労,福祉)を理解することが目標となる。また従来の障害に対する考えが,現代社会ではどうのように変化してきたのかについて理解する。これらの事柄は障害のある個人を支援するときに重要となる。
行動目標●障害の特徴について、いくつか例示できる。アセスメント方法について、いくつか例示できる。「障害者差別解消法」における合理的配慮について概要を述べることができる。支援方法について、述べることができる。 -
F343 知覚?認知心理学B
人の認知過程のうち、主として、記憶?思考領域を中心として、伝統的な情報処理パラダイムに基づくものだけでなく、状況論的な視点に立つものも含め、様々なモデルや理論を含む知見を学ぶ。また、モノづくりやインターフェイス設計など現実場面への認知心理学的知見の応用や、現実場面との共同作業による研究についても紹介する。
行動目標●人間の記憶の特徴について説明できる。人間の認知過程に関する代表的なモデルを理解し説明することができる。人間の認知過程に関する知見のモノづくりへの応用の可能性について理解し説明することができる。 -
F328 心理演習
心理的支援とは、個人、集団、あるいは地域コミュニティといった多様な対象に、心理学の知識を応用した支援を行うことである。本講義では、地域支援を含め、幅広い対象への心理的支援を行う際に必要な心理学の基礎知識を学ぶ。また、状況の見立てやアプローチの考案といった支援の実際について、ロールプレイ(役割演技)演習を通して実践的に学習する。
行動目標●心理面接および心理検査の基礎知識について説明できる。心理的支援を行う際に必要なコミュニケーションの基礎技能を使用できる。集団や地域を対象とした心理的支援に関わる理論と実践の基礎について説明できる。心理的支援を実践する際の倫理的配慮および法的義務について説明できる。 -
F329 脳情報科学
人間の心理における情報処理の基盤は、脳の機能である。脳情報科学的研究法の急激な進展により、さまざまな心理的情報処理プロセスの脳活動が明らかにされてきた。この講義では、注意と眼球運動、記憶と意思決定、感情、発達と社会性の脳活動について学習することにより、脳情報科学に基づいた心理学の基礎を理解する。
行動目標●さまざまな心理的情報処理プロセスの脳活動について理解できる。脳情報科学に基づいた心理学の基礎を理解できる。人間の心理的情報処理プロセスの特徴にあわせたシステムを設計するための基本要素について説明できる。 -
F330 発達心理学
人間を理解する上では、生物学的?社会学的?心理学的な面から包括的に捉える視点が欠かせない。人の発達とは、生まれてから成人するまでの過程のみならず、成人以降の中年期および老年期そして死までの、生涯にわたる発達および変化を意味する。本講では人間の生涯を通じての心身の成長発達の各段階について、その特徴を理解していくが、特に受講生の発達段階と一致する青年期については、自己理解も含めて学習を深める必要がある。
行動目標●発達心理学の基礎的な概念や用語について簡潔な文章で説明することができる。各発達段階の特徴を示すことができる。青年期の発達課題の知識を踏まえ、自分自身について考察し、それを文章で記述できる。中年期や老年期の心理的特徴について具体例を挙げて文章で説明することができる。成人期以降の発達段階の特徴を踏まえ、老いや死などについて自分の考えを文章で表現することができる。 -
F331 消費者心理学
日頃身近に経験する日常の消費者行動を、今まで学んできた心理学の視点から考えていく。心理学の視点としては、主に、知覚?記憶?学習?感情?社会の各領域である。心理学から消費者の問題がどのように考えられているかを理解することが目標である。
行動目標●知覚、記憶、学習、感情、社会心理学的視点から、購買行動、購買意思決定、広告の情報処理などの消費者行動を理解できる。 -
F332 感情?人格心理学
私たちの日常における様々な行動には、その時の感情やその人自身の性格が何らかの影響を及ぼすことがある。本講義では、感情や人格 (性格) に関する様々な理論を概観し、心のはたらきに感情や性格がどのような影響を及ぼすかを学ぶ。感情については、感情に関する諸理論、感情喚起の機序、感情が行動に及ぼす影響などについて学ぶ。人格については、人格の概念や人格が形成される過程、人格の類型や特性などについて学ぶ。
行動目標●感情に関する理論および感情喚起の機序について説明できる。感情が行動に及ぼす影響を説明できる。人格の概念及び形成過程について説明できる。人格の類型、特性などについて説明できる。 -
F336 心理的アセスメント
心理的アセスメントとは、心理療法を求めてきたクライエントなどについて、その問題の性質やその人が持つ資質を知り、適切な介入方法を見出し、どのような見通しを持つことができるか多面的?総合的に検討する作業である。この講義では部分的に演習を行いながら、①心理的アセスメントの目的と倫理、②心理的アセスメントの観点及び展開、③心理的アセスメントの方法(観察?面接?心理検査)、④適切な記録及び報告の作成について学ぶ。
行動目標●心理的アセスメントの基本的事項を説明できる。心理的アセスメントの目的と倫理的配慮について説明できる。心理的アセスメントのいくつかの観点を説明できる。心理的アセスメントの方法についてそれぞれの特徴を説明できる。心理的アセスメントを実施し、適切な記録と報告書を作成できる。 -
F334 心理科学専門実験?演習A
「質問紙法と調査実習」では、心理学調査法における質問紙作成、調査、分析に至るまでの一連の実習を行う。「高齢者体験と観察法実習」では、高齢者体験ツールを用いた高齢者体験と、観察法によりデータを収集し、ノンパラメトリック法による統計的分析を実施する。
行動目標●調査対象を評価するために必要な質問項目を選出し、質問紙を作成することができる。質問紙法による調査を実施し、収集したデータを集計することができる。データを用いた統計的分析を行い、結果を解釈し考察することができる。観察法における一連の手続きを理解し、データを収集することができる。発話思考法について理解し、データを収集することができる。ノンパラメトリック法について理解し、実際にデータの分析をすることができる。 -
F335 心理科学専門実験?演習B
「プログラミングと心理実験」では、MATLABを用いた実験用プログラム作成、実験実施とデータ処理(分散分析)に至る一連の作業を実習する。「生体情報?脳機能計測」では、生理計測装置による生体情報計測、および脳活動測定装置を用いた脳機能計測を実施し、データ分析の実習をする。
行動目標●パーソナルコンピュータ上で実験を実施するためのプログラムを理解し、作成することができる。反応時間、誤答率などの行動指標を適切に解析することができる。生体情報計測?脳機能計測の基礎を理解することができる。基本的な生体情報計測?脳機能計測を行い、データ処理を行うことができる。 -
F338 公認心理師の職責
公認心理師は、保健医療、福祉、教育その他さまざまな分野で活躍することが期待されている。それぞれの領域での具体的な業務を学ぶとともに、各分野における法的義務と倫理を学ぶ。その際、心理学的支援における安全の確保や情報の取り扱いについても言及する。同時に、他の専門職との連携、地域における連携の重要性を理解しながら、求められる役割にこたえるため、自己研鑽や生涯学習への意識を高める。
行動目標●公認心理師の求められる役割について、いくつか挙げることができる。法的義務と倫理について、例示することができる。 -
F337 心理実習
本実習では、公認心理師法で定められた実習施設において、所定の期間、見学等による実習を行う。この実習の中で、心理に関する支援を必要とする人たちへのチームアプローチ、多職種連携及び地域連携、公認心理師としての職業倫理及び法的義務への理解の各事項について、理解を深める。
行動目標●心理的支援に関するチームアプローチについて述べることができる。多職種連携及び地域連携について述べることができる。職業倫理及び法的義務について、いくつかの主要な点について述べることができる。 -
F339 精神疾患とその治療
この講義では、代表的な精神疾患について、成因、症状、診断法、治療法、経過、本人や家族への支援といった観点から理解する。まず講義では、精神医学?医療の歴史と現状を学ぶことから始まる。次に脳の構造と働きから精神現象を理解する。また精神障害の概念、精神疾患の成因と分類や精神症状を学ぶ。これに関連して、身体的検査と心理的検査の概要に触れる。治療に関しては、薬物療法を中心に解説を行うが、その他にも精神療法についても紹介する。最後に、精神科医療機関における外来診療、入院医療、在宅医療や、公認心理師との連携にあり方について理解を深める。
行動目標●精神医療の大枠が理解できる。精神医療の主な対象となる代表的な疾患の症状、経過、治療が説明できる。 -
F340 福祉心理学
この科目では心理学の観点から福祉の現場において生じている問題?課題にアプローチしていく。福祉的対応を必要とする個人(児童、障害者、高齢者など)の心理的問題、またそれらの個人を取り巻く家族の要因などを取り上げる。同時に、ケースワーカー、指導員、介護者など福祉的活動に携わる人々の心理的問題について理解を深める。現在の福祉の現場における必要な支援を考え、虐待などの今日的な問題について学ぶ。
行動目標●福祉現場の課題について、いくつか述べることができる。虐待の問題について、課題を述べることができる。 -
F341 司法?犯罪心理学
この科目では、この領域に対する心理学的観点からの関わりに関する基本的な知識を学ぶ。この領域は犯罪捜査 、司法、矯正、家事事件など多様な場面にまたがっているため、それぞれにおけるアセスメント、面接、心理 支援などの特徴や、関連する制度や法律について学ぶ。
行動目標●犯罪捜査と犯罪?非行の予防と心理学の関わりについて述べることができる。犯罪?非行に関わるア セスメント、面接、心理支援の特徴について述べることができる。犯罪被害者、加害者および家族への心理支 援について述べることができる。家事事件に関する制度と心理学的支援について述べることができる。 -
F342 関係行政論
この科目では、公認心理師法に関する内容を理解することが目的となる。また同時に、保健医療分野に関係する制度、福祉分野に関係する制度、教育分野に関係する制度、司法?犯罪分野に関係する制度、産業?労働分野に関係する制度といった5つの関連分野に関する制度を理解することが求められる。それぞれの分野において活躍する他職種の専門家と、関連する制度?施策について理解を深める。
行動目標●公認心理師法の要点を述べることができる。公認心理師と関連の深い5分野における専門家?制度?施策を述べることができる。 -
F904 専門ゼミ
今まで学んできた心理学?情報科学?工学の内容を統合して、人の心のはたらきを活かしたものづくりのできるエンジニアになるためのプロジェクト活動を実施する。プロジェクトデザイン III を遂行するために必要な既習内容の復習と効果的なプロジェクト活動を実現するための力を身につける。さらに、技術者倫理および安全教育について修得し、社会に出て活躍できる技術者としての人間力を養う。
行動目標●プロジェクトデザイン III の専門領域の中で興味のある内容についての知識を深めることができる。プロジェクトデザイン III の目標や行動計画について明確なイメージを持つことができる。プロジェクトデザイン III のテーマについて説明ができる。各研究室に即した行動目標について説明ができる。 -
F924 プロジェクトデザイン III
心理学と情報技術とを融合して、安全で、心地よく、楽しく使うことができる製品?システムの企画?開発、人の心のはたらきに配慮したサービスの提案を行うことができるようになることを目指す。これまでに修得した心のはたらきについての知識や、科学的な測定?評価の技術を生かし、各自のテーマに取り組むこと。
行動目標●人間の心のはたらきについて心理学的に説明することができる。人間の心のはたらきを測定評価するための手法を使いこなすことができる。心のはたらきを社会や産業に活かすための手立てを説明することができる。既習の知識と技術を駆使し活動プログラムを自主的に実践することができる。将来の進路についての行動指針を得ることができる。 -
F944 進路セミナー I
技術者としての職業観を形成し、自分に適した進学?就職の目標を設定すること、加えて、自らの能力?性格特性の自覚と、それに基づく課題設定と問題解決力向上の第1歩を進めること、以上を履修者自ら自主的、意欲的に遂行すること。
行動目標●今後の人生と、就職活動で選択する進路の関係を考え、適切な進路を思い浮かべることができる。進路選択に必要な学生生活を送ることができている。進学?就職など自分の進路に関する方針や目標を設定でき、他人にも理解できるように論理的に説明できる。進路に対する目標を達成するために必要な知識、能力、素養、資質などを、自ら向上させることができる。 -
F954 進路セミナー II
技術者としての職業観を形成し、自分に適した進学?就職の目標を設定すること、加えて、自らの能力?性格特性の自覚と、それに基づく課題設定と問題解決力向上の第1歩を進めること、以上を履修者自ら自主的、意欲的に遂行すること。
行動目標●今後の人生と、就職活動で選択する進路の関係を考え、適切な進路を思い浮かべることができる。進路選択に必要な学生生活を送ることができている。進学?就職など自分の進路に関する方針や目標を設定でき、他人にも理解できるように論理的に説明できる。進路に対する目標を達成するために必要な知識、能力、素養、資質などを、自ら向上させることができる。