カリキュラムガイド 一覧
[3] 大学院のカリキュラム
工学研究科 > 専攻共通
教育目標
工学専門領域の枠を超えて、高度専門職業人として必要な広範な教育(教養教育やビジネス?経済関連教育を含む)、人間力の育成、および専門能力開発(Professional Development)を行うとともに、工学研究科における修学?研究に資する基礎科学?自然科学領域の教育を行う。また、必要に応じて、専攻に共通して関心の高い先端技術、複合領域、最新の研究開発状況などに関する教育を実践する。
カリキュラムフロー
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ビジネス系科目
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エンジニアのための簿記実践特論
工企業の価値生産活動を貨幣計数で測定し、経営活動に必要な原価情報や財務情報に加工する技術を「工業簿記」という。「工業簿記」によってもたらされる原価情報は、経営計画作成をはじめ製品価格設定や原価管理の基本資料となるため、経営管理者や技術者にとって重要な情報である。本科目では、価値生産活動の過程において、原価を認識?測定?記録?報告できるとともに、対処方法を検討できる力を養うことを目標とする。
目標●1. 工企業における製品生産工程と製品製造原価の関係が理解できる。2. 製品製造原価の発生過程を複式簿記手法で記録し、原価情報および財務情報を作成することができる。3. 注文生産および見込生産における製品製造原価計算(個別原価計算)を理解し、原価情報を作成することができる。 -
イノベーション特論 I
イノベーションとは何なのか、イノベーションはいかにして起きたか、どうすればイノベーションを起こせるのかなどイノベーションを論ずる書籍が数多く出版されており、イノベーションに関する社会の期待の高さを伺わせる。本科目ではさまざまなイノベーション論を俯瞰し、イノベーションの事例研究を行い、イノベーションに関する知識や概念を自分なりに整理することで、自らの専攻を通じてイノベーションを実践するために必要となる知識や概念の修得を目指す。
目標●1. イノベーション論に関する俯瞰ができる。2. イノベーションの事例のいくつかを説明できる。3. 自らの専門領域におけるイノベーションのための課題を説明できる。4. 自らの専門領域におけるイノベーションのための組織活動支援に関して提案ができる。 -
ビジネス戦略特論
エンジニアが自らの強みである “ 技術 ” をビジネスで “ 如何に活かすか ” を考える Management of Technology(MOT)について、その基幹学問分野である “ 経営戦略論 ” を通じて学ぶ。具体的には、伊丹敬之著『経営戦略の論理 第4版』をベースに①経営戦略の基本概念や②ビジネスを取り巻く5つの要因と戦略適合に触れ、経営戦略の理論を体系的に習得する。同時に、企業において実際にあったMOTのケースに触れながら、社会の現場で直面するさまざまな問題の本質を洞察する訓練をする。
目標●1. 技術を社会で活かす上での経営戦略の意義が説明できる。2. 経営戦略の基本概念について説明できる。3. ダイナミック適合の論理について説明できる。4. ケースから「いい戦略」のポイントを探ることができる。5. 現場の問題点の本質を探ることができる。
一般科目
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基礎解析学特論A
この科目では、まず、複素数とオイラーの公式に言及し、複素変数の解析関数や複素平面での線積分を定義し、複素変数関数の微分積分学である関数論について学習する。関数論は、流体力学や電磁気学などに現れる現象の解析に必要な理論の枠組みを与えるものである。次に続く、「基礎解析学特論B」とは独立した内容であり、この科目だけの受講も可能である。
目標●1. 複素数と複素平面について理解し、複素数に関する計算や複素平面上での幾何学的な意味について理解することができる。 2. コーシーの積分公式や留数定理が理解でき、複素積分が計算できる。 -
基礎解析学特論B
この科目では、フーリエ解析について学習する。いろいろな周期関数のフーリエ級数の計算に習熟し、偏微分方程式への応用について学ぶ。フーリエ解析は振動のような周期的な現象や周期的に変化するデータの解析に必要な理論である。先行の「基礎解析学特論A」とは独立した内容であり、この科目だけの受講も可能である。
目標●1. 周期関数のフーリエ級数展開を求めることができる。2. 簡単な熱方程式、波動方程式への応用が理解できる。 -
工学のための確率?統計 I
現代の工学的諸分野において確率論的知識や手法は基礎的な素養として必須である。このコースでは、まず測度論的な立場から確率変数を導入し、その平均と分散、モーメント母関数との関係を学習する。代表的な確率分布である2項分布、ポアソン分布、正規分布、ロジスチック分布などを学習する。その後、多次元確率変数とその応用として情報論的エントロピーや確率過程の諸問題を取り上げる。
目標●1. 確率変数、確率分布の概念が理解できる。2. 代表的な確率分布とその現象例との関係が理解できる。3. 正規分布、多次元正規分布の応用に習熟する。4. 情報エントロピーや確率過程の応用諸問題が理解できる。 -
工学のための確率?統計 II
I で学習した内容を踏まえて統計的手法について学習する。まず、中心極限定理とその標本分布や2項分布への応用、χ2分布、t分布、F分布について学習する。統計的推定として母数の点推定(最尤法など)や区間推定の考え方を理解する。さらに検定の考え方について学び、母数の検定のみならず適合度、独立性、均一性、相関係数などの応用上重要な検定問題を学習する。各自の専門分野におけるデータ収集とその分析を通じて実践的応用力を養う。
目標●1. 中心極限定理とその応用について理解できる。2. 代表的な標本分布であるχ2分布、t分布、F分布が理解でき確率の計算ができる。3. 統計的推定法を理解し諸問題に適用できる。4. 統計的検定法を理解し、さまざまな応用諸問題に適用できる。5. 自ら問題を設定し、データを収集し、結論を導くことができる。 -
先端技術と科学A
先端技術と基礎科学の密接な関係をさまざまな実例を通して学ぶ。物理学、化学など基礎科学の研究により、さまざまな現象、概念、原理、法則などが発見され、新技術、新機器が創出されてきた。先端技術と科学Aでは、現代の先端技術の主柱となる基礎理論である量子力学に関して、粒子?波動二重性、不確定性原理などの根幹的内容を学び、これをもとに量子計算機構?量子コンピューターの基本的事項を修得し、これからの先端技術の展開について考察する。この考察によって、工学、環境?建築、情報、バイオ?化学分野で行動する技術者としての素養を身につける。
目標●1. 現在のコンピューターと量子コンピューターの違いについて実例をあげて説明できる。2. 量子力学の基礎原理が量子計算機構にどのように関係しているか実例を挙げて説明できる。3. 量子チューリングマシンの働きをとおして、量子コンピューターがどのような性能を持つか実例を挙げて説明できる。 -
先端技術と科学B
先端技術と基礎科学の密接な関係をさまざまな実例を通して学ぶ。物理学、化学など基礎科学の研究により、さまざまな現象、概念、原理、法則などが発見され、新技術、新機器が創出されてきた。先端技術と科学Bでは、医療機器として広く用いられている磁気共鳴断層撮影装置(MRI)について、磁気共鳴の原理、ハードウェアの構成、画像の明暗を制御するパルスシーケンス、フーリエ変換による画像構成法について学習する。これによりなぜMRIの画像撮影が可能なのかその原理を修得し、先端技術の現状について考察する。この考察によって、工学、環境?建築、情報、バイオ?化学分野で行動する技術者としての素養を身につける。
目標●1. MRI装置の構成を説明できる。2. フーリエ変換によるMRIの画像構成を説明できる。3. MRIの画像撮影の原理について説明できる。 -
日本語テクニカルコミュニケーション
この科目では、科学技術領域での研究活動を中心とした日本語でのコミュニケーション技能の向上を目指す。授業では、わかりやすい文章構成、論理的な段落構成、文法的に正しく簡潔な文、適切な表記法などの観点から日本語の特徴を概観し、実際に文章作成および添削作業を行う。また、各自が所属する学協会研究誌の投稿規定?執筆要綱の確認、学会誌論文に目を通しての論文特有の日本語表現リスト作成、各自の研究テーマでの論文要旨作成にも取り組む。
目標●1. 簡潔で論理的な文章を構成することができる。2. 正しい日本語表現(文字、語彙、文構成、接続表現など)を使うことができる。3. 文法的に誤っている文や複雑でわかりにくい文章が持つ問題点を指摘し、適切に修正できる。 -
イングリッシュテクニカルコミュニケーション I
この科目では、研究論文(リサーチペーパー)の基本的構成と各章に書くべきことがらを概観しながら、典型的に用いられる英語表現を学ぶ。そして、各自の研究テーマに関する実際の論文英文要旨(アブストラクト)各文の役割を検証する。これらの学習内容をもとに、自身の研究に関するアブストラクトを作成する。また、論文検索の方法や入手した論文資料の管理方法、自身の所属学会の投稿規定?執筆要領などについても理解を深める。なお、この科目に続いて開講される「イングリッシュテクニカルコミュニケーション II 」は必修ではないが受講を推奨する。
目標●1. 英語または日本語で論文の各章にどのようなことを書かなければならないかを説明できる。2. 各自の分野での論文アブストラクトがどのような構成になっているかがわかる。3. 自身の取り組む研究についてアカデミックな英語表現を用いて論文アブストラクトを書くことができる。 -
イングリッシュテクニカルコミュニケーション II
この科目では、コミュニケーションで用いられる基礎的アカデミックイングリッシュについて学ぶ。特に(1)科学技術分野で用いられる数式などの用語の学習、(2)研究論文などの論理構成の検証、(3)質疑応答やディスカッションなどアカデミックな口頭コミュニケーションで頻繁に用いられる英語表現の学習、(4)言語面(例:発音、イントネーション)および非言語面(例:姿勢、アイコンタクト、声量、話すスピード)でのプレゼンテーションスキルの向上に重点を置く。授業内でミニプレゼンテーション練習を何度か行い、最終的に自身の研究テーマについて英語でプレゼンテーションができるようになることをめざす。なお、この科目に先立って開講される「イングリッシュテクニカルコミュニケーション I」は必修ではないが受講を推奨する。
目標●1. 自身が取り組む研究について、その論理を日本語または英語で書き表すことができる。2. 大局的な観点から自身の研究の重要性や意義を口頭で説明できる。3. 適切なアカデミックイングリッシュを用いて自身の研究で用いる方法論や得られた結果、その意義を口頭で説明できる。4. 適切な声量、スピード、明瞭な発音やイントネーション、アイコンタクトを用いて、英語でのアカデミックな口頭発表ができる。 -
専攻共通特別講義 I
ポジティブ心理学の基本概念と「幸せ(well-being)」に関する最新の知見?介入方法について学ぶとともに、自らの「well-being」について考察する。また、優れた仕事(Good Work)を通して社会へ貢献することなどを検討する「志向倫理」と他者への危害や不適切な行為を避けることなどを強調する「予防倫理」の違いについて、具体例を通して批判的に考察する。加えて、優れた仕事に関する調査を行い、その成果を発表する。
目標●1. ポジティブ心理学の基本概念について説明できる。2.well-being に関する複数の考え方について説明できる。3. 自らの well-being を構成する要素について説明できる。4.「志向倫理」と「予防倫理」の違いについて説明できる。5.GoodWorkについて、具体的事例を使って説明できる。6. ポジティブ心理学と技術者倫理の関係について説明できる。 -
国際標準化概論Ⅰ
日本の産業力強化に向けて、国際標準化に関する重要性が産学官で活発に議論されている。各企業では標準化対応の強化、ビジネスへの活用を進めている現状がある。本科目では、国際標準化の基礎事項の理解と事例学習を通じて国際標準化のビジネスに与える影響を体得する。合わせて、国際標準化に限らず種々のビジネスの場面で必要なる交渉学についても学ぶ。本科目受講を通じて就職後のビジネスマインドの形成の一助となることを狙う。【本科目で扱う標準化事例は電気?情報系分野を対象とする】
目標●企業でのビジネスの中において国際標準化の位置づけの理解。国際標準化に関する基礎事項の理解。各自の専門分野での国際標準の関連性の理解。 -
国際標準化概論Ⅱ
日本の産業力強化に向けて、国際標準化に関する重要性が産学官で活発に議論されている。各企業では標準化対応の強化、ビジネスへの活用を進めている現状がある。本科目では、国際標準化の基礎事項の理解と事例学習を通じて国際標準化のビジネスに与える影響を体得する。合わせて、国際標準化に限らず種々のビジネスの場面で必要なる交渉学についても学ぶ。本科目受講を通じて就職後のビジネスマインドの形成の一助となることを狙う。【本科目で扱う標準化事例は機械?建築?土木?化学系分野を対象とする】
目標●企業でのビジネスの中において国際標準化の位置づけの理解。国際標準化に関する基礎事項の理解。各自の専門分野での国際標準の関連性の理解。