[2] 大学院

金沢工業大学大学院学則

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この学則(以下「本学則」という。)は、金沢工業大学学則第45条第2項の規定に基づき、大学院について必要な事項を定める。

(大学院の目的)

第2条 金沢工業大学大学院(以下「大学院」という。)は、金沢工業大学(以下「本学」という。)の建学綱領と人材育成の使命に従い、専門的な学術の理論及び応用を教授研究し、創造性豊かで優れた研究?開発能力を有する研究者等の養成と高度な専門的知識?能力を有する専門職業人の養成を行い、我が国の科学技術並びに文化の進展に寄与することを目的とする。

(自己点検評価及び研修等)

第2条の2 大学院は、教育研究水準の向上を図り、大学院の目的及び社会的使命の達成と、学修者本位の教育の実現に向けた教育研究活動等の状況について3つのポリシー(学位授与の方針、教育課程の編成?実施の方針、入学者受け入れの方針)に基づく自己点検?評価、第三者評価並びに積極的な情報公開を通じて授業の内容及び方法の改善と組織的な研修及び研究を行うものとする。

(大学院の課程)

第3条 大学院における課程は、修士課程及び博士課程とする。

(修士課程)

第3条の2 修士課程は、広い視野に立って精深な学識を授け、専攻分野における研究能力又はこれに加えて高度の専門性が求められる職業を担うための卓越した能力を培うことを目的とする。

2 修士課程の標準修業年限は、2年とする。ただし、主として実務の経験を有する者に対して教育を行う場合であって、教育研究上の必要があり、教育上支障を生じない専攻にあっては標準修業年限を1年とすることができる。

(博士課程)

第3条の3 博士課程は、専攻分野について、研究者として自立して研究活動を行い、又はその他の高度に専門的な業務に従事するに必要な高度の研究能力及びその基礎となる豊かな学識を養うことを目的とする。

2 博士課程の標準修業年限は、5年とする。

3 博士課程は、これを博士前期課程(前期2年)及び博士後期課程(後期3年)の課程に区分し、博士前期課程を修士課程として取り扱うものとする。

第2章 研究科の組織及び定員

(研究科)

第4条 大学院に工学研究科、心理科学研究科及びイノベーションマネジメント研究科を置く。

第4条の2 削除

(研究科の専攻及び課程)

第5条 各研究科にそれぞれ次の専攻、課程を置く。

工学研究科

 機械工学専攻 博士前期課程  博士後期課程
 環境土木工学専攻 博士前期課程 博士後期課程
 情報工学専攻 博士前期課程 博士後期課程
 電気電子工学専攻 博士前期課程 博士後期課程
 システム設計工学専攻 博士前期課程 博士後期課程
 バイオ?化学専攻 博士前期課程 博士後期課程
 建築学専攻 博士前期課程 博士後期課程
 高信頼ものづくり専攻 博士前期課程 博士後期課程
 ビジネスアーキテクト専攻  修士課程

心理科学研究科

 臨床心理学専攻  修士課程

イノベーションマネジメント研究科

 イノベーションマネジメント専攻  修士課程

2 工学研究科高信頼ものづくり専攻博士前期課程には、標準修業年限を1年とする1年制コースを併せ置くこととし、主として実務の経験を有する者に対して、昼間と併せて夜間その他特定の時間又は期間において授業又は研究指導を行う等の適切な方法により教育を行う。

3 イノベーションマネジメント研究科イノベーションマネジメント専攻修士課程は、標準修業年限を1年とし、主として実務の経験を有する者に対して、昼間と併せて夜間その他特定の時間又は期間において授業又は研究指導を行う等の適切な方法により教育を行う。 

(研究科?専攻の目的)

第5条の2 第2条の目的にかんがみ、設置する研究科及び専攻の人材の養成に関する目的その他の教育研究上の目的は、次項から第4項までに定めるとおりとする。

2 工学研究科は、工学諸分野に関する解析能力と実践能力を有する創造性豊かな研究者又は高度な専門技術者を養成することを目的とする。

  1. 機械工学専攻博士前期課程は、高度な知識と研究能力を有し、ものづくりの基盤ともいえる機械関連分野において活躍できる人材を養成することを目的とする。
  2. 環境土木工学専攻博士前期課程は、高度な知識と研究能力を有し、地域から国土に至る環境を構築し、市民生活の持続的な発展を創造できる人材を養成することを目的とする。
  3. 情報工学専攻博士前期課程は、高度な知識と研究能力を有し、産業界の重要基盤である情報工学分野において活躍できる人材を養成することを目的とする。
  4. 電気電子工学専攻博士前期課程は、高度な知識と研究能力を有し、社会のあらゆる分野で重要性が高い電気電子工学分野において活躍できる人材を養成することを目的とする。
  5. システム設計工学専攻博士前期課程は、高度な知識と研究能力を有し、芸術的感性と情報テクノロジーを結びつけたコンテンツ、サービス、システムを開発?運用できる人材や、心の働きを測定?評価する技術と情報技術とを活用し、製品やサービスなどの企画?開発ができる人材を養成することを目的とする。
  6. バイオ?化学専攻博士前期課程は、環境化学、有機物質化学、無機物質化学、生命情報、生命科学、バイオ工学とその関連分野において高度な専門知識と研究能力を身につけ、持続成長可能な未来を切り拓き、新しい産業構造を支える人材を養成することを目的とする。
  7. 建築学専攻博士前期課程は、高度な知識と研究能力を有し、安全で美しく快適な建築やまち?都市、地域を計画?実現し、人間社会と地域環境に貢献できる人材を養成することを目的とする。
  8. 高信頼ものづくり専攻博士前期課程は、高度な知識と研究能力を有し、ものづくりの基盤ともいえる機械関連分野?航空機工学に係わる分野?社会のあらゆる分野で重要性が高い電気電子工学分野並びに情報化社会の基盤である情報通信工学との融合分野において活躍できる人材を養成することを目的とする。
  9. ビジネスアーキテクト専攻修士課程は、高度な知識と研究能力を有し、情報技術を活用して、社会に有益なビジネスを創生し、効率的に運用管理することができる人材を養成することを目的とする。
  10. 機械工学専攻博士後期課程は、研究者として自立して研究活動を行い、又はその他の高度に専門的な業務に従事するに必要な高度の研究能力及びその基礎となる豊かな学識を有し、ものづくりの基盤ともいえる機械関連分野において活躍できる人材を養成することを目的とする。
  11. 環境土木工学専攻博士後期課程は、研究者として自立して研究活動を行い、又はその他の高度に専門的な業務に従事するに必要な高度の研究能力及びその基礎となる豊かな学識を有し、地域から国土に至る環境を構築し、市民生活の持続的な発展を創造できる人材を養成することを目的とする。
  12. 情報工学専攻博士後期課程は、研究者として自立して研究活動を行い、又はその他の高度に専門的な業務に従事するに必要な高度の研究能力及びその基礎となる豊かな学識を有し、産業界の重要基盤である情報工学分野において活躍できる人材を養成することを目的とする。
  13. 電気電子工学専攻博士後期課程は、研究者として自立して研究活動を行い、又はその他の高度に専門的な業務に従事するに必要な高度の研究能力及びその基礎となる豊かな学識を有し、社会のあらゆる分野で重要性が高い電気電子工学分野において活躍できる人材を養成することを目的とする。
  14. システム設計工学専攻博士後期課程(専攻分野:工学)は、研究者として自立して研究活動を行い、又はその他の高度に専門的な業務に従事するに必要な高度の研究能力及びその基礎となる豊かな学識を有し、芸術的感性と情報テクノロジーを結びつけたコンテンツ、サービス、システムを開発?運用できる人材や、心の働きを測定?評価する技術と情報技術とを活用し、製品やサービスなどの企画?開発ができる人材を養成することを目的とする。
  15. システム設計工学専攻博士後期課程(専攻分野:学術)は、研究者として自立して研究活動を行い、又はその他の高度に専門的な業務に従事するに必要な高度の研究能力及びその基礎となる豊かな学識を有し、情報技術の著しい発展に伴って進展する、発明、ソフトウェア、コンテンツ等といった付加価値の高い知的創造物(知的財産)の創造?保護?活用の実現のために必要な研究を行い、製品やサービスなどの企画?開発ができる人材を養成することを目的とする。
  16. バイオ?化学専攻博士後期課程は、環境化学、有機物質化学、無機物質化学、生命情報、生命科学、バイオ工学とその関連分野において、高度な専門知識と深遠な学識と研究能力を身につけ、持続成長可能な未来を切り拓き、研究者として自立して、新しい産業構造を支える人材を養成することを目的とする。
  17. 建築学専攻博士後期課程は、研究者として自立して研究活動を行い、又はその他の高度に専門的な業務に従事するに必要な高度の研究能力及びその基礎となる豊かな学識を有し、安全で美しく快適な建築やまち?都市、地域を計画?実現し、人間社会と地域環境に貢献できる人材を養成することを目的とする。
  18. 高信頼ものづくり専攻博士後期課程は、研究者として自立して研究活動を行い、又はその他の高度に専門的な業務に従事するに必要な高度の研究能力及びその基礎となる豊かな学識を有し、ものづくりの基盤ともいえる機械関連分野?航空機工学に係わる分野?社会のあらゆる分野で重要性が高い電気電子工学分野並びに情報化社会の基盤である情報通信工学との融合分野において活躍できる人材を養成することを目的とする。

3 心理科学研究科は、人間の精神健康の保持?増進に貢献し得る研究者又は実践家を養成することを目的とする。

  1. 臨床心理学専攻修士課程は、教養、倫理的観点、専門的知識をもって、人の「より良い状態(Well-being)」の保持?増進に貢献し得る実践家を養成することを目的とする。

4 イノベーションマネジメント研究科は、我が国の国際的な産業競争力の強化に資する、真のイノベーションを実現できる「知的財産のわかる経営者」や「経営のわかる知的財産マネジメント人材」の養成を目的とする。

  1. イノベーションマネジメント専攻修士課程(専攻分野:経営管理)は、我が国の国際的な産業競争力の強化に資する、真のイノベーションを実現できる「知的財産のわかる経営者」や「経営のわかる知的財産マネジメント人材」の養成を目的とする。
  2. イノベーションマネジメント専攻修士課程(専攻分野:知的財産マネジメント)は、我が国の国際的な産業競争力の強化に資する、真のイノベーションを実現できる「知的財産のわかる経営者」や「経営のわかる知的財産マネジメント人材」の養成を目的とする。

(収容定員)

第6条 各研究科の収容定員は次のとおりとする。

(単位 名)

  専攻名 博士前期
(修士)課程
博士後期課程 合計収容定員
入学定員 収容定員 入学定員 収容定員
工学研究科 機械工学専攻 18 36 5 15 51
環境土木工学専攻 10 20 5 15 35
情報工学専攻 40 80 5 15 95
電気電子工学専攻 18 36 6 18 54
システム設計工学専攻 17 34 6 18 52
バイオ?化学専攻 18 36 6 18 54
建築学専攻 16 32 5 15 47
高信頼ものづくり専攻 7 10 5 15 25
ビジネスアーキテクト専攻 6 12 12
150 296 43 129 425
心理科学研究科 臨床心理学専攻 6 12 12
6 12 12
イノベーション研究科 イノベーション
マネジメント専攻
40 40 40
40 40 40
合計 196 348 43 129 477

2 前項に掲げる工学研究科高信頼ものづくり専攻博士前期課程の入学定員のうち、第5条第2項に定める1年制コースの入学定員は4名とする。

第3章 教職員組織

(教職員)

第7条 大学院には必要な教職員を置き、本学の教職員をもって充てる。

第4章 大学院委員会

(大学院委員会)

第8条 大学院に大学院委員会を置く。

2 大学院委員会は、大学院担当の専任教授の全員をもって構成する。

3 大学院委員会は、次に掲げる事項について審議し、学長が決定を行うに当たり意見を述べるものとする。

  1. 学生の入学及び課程の修了に関する事項
  2. 学位の授与に関する事項
  3. 前2号に掲げるもののほか、教育研究に関する重要な事項で、大学院委員会の意見を聴くことが必要なものとして学長が定めるもの

4 大学院委員会は、前項に定めるもののほか、学長がつかさどる教育研究に関する事項について審議し、及び学長の求めに応じ、意見を述べることができる。

5 大学院委員会の運営については、別に定める金沢工業大学大学院委員会運営規則による。

第5章 在学期間、学年、学期及び休業日

(在学期間及び在籍条件)

第9条 大学院における在学期間は、修士課程及び博士前期課程にあっては4年、博士後期課程にあっては6年を超えてはならない。ただし、工学研究科高信頼ものづくり専攻博士前期課程1年制コース及びイノベーションマネジメント研究科イノベーションマネジメント専攻修士課程の在学期間は、3年を超えてはならない。

2 現に大学院に在籍する者は、その間、他の大学院、学部等に在籍することはできない。

(長期履修)

第9条の2 イノベーションマネジメント研究科イノベーションマネジメント専攻修士課程は、職業を有している等の事情により、標準修業年限を超えて計画的に教育課程を履修し修了すること(以下「長期履修」という。)を志願する者があるときは、審査の上、長期履修を許可することができる。ただし、前条に定める在学期間を超えることはできない。

2 前項に定める長期履修の取扱いについては、金沢工業大学大学院長期履修に関する規程の定めるところによる。

(学年及び学期)

第10条 学年は、4月1日に始まり翌年3月31日に終わる。ただし、後学期から入学する者(以下「秋入学者」という。)は、10月1日に始まり翌年9月30日に終わる。

2 学年は次の2学期に分ける。
  前学期 4月1日から9月30日まで
  後学期 10月1日から翌年3月31日まで

3 前項の規定にかかわらず、イノベーションマネジメント研究科イノベーションマネジメント専攻修士課程の学年は次の4学期に分ける。
  1学期 4月1日から6月15日まで
  2学期 6月16日から8月31日まで
  3学期 9月1日から11月15日まで
  4学期 11月16日から翌年3月31日まで

4 前2項の学期の開始日及び終了日については、学長は臨時に変更することができる。

5 各学期の授業実施日等は、別に定める学年暦による。

6 学長は、自然災害や感染症等のやむを得ない事由により長期にわたり授業の実施が困難な場合は、授業実施日等を臨時に変更することができる。

(休業日)

第11条 休業日は次のとおりとする。ただし、必要があるときは、学長は臨時に休業日を設けることができる。

  1. 日曜日(イノベーションマネジメント研究科イノベーションマネジメント専攻修士課程にあっては月曜日)及び国民の祝日に関する法律に定める休日
  2. 創立記念日 6月1日
  3. 夏期休業
  4. 冬期休業
  5. 春期休業

2 前項の第3号から第5号の休業日については、学年暦により定める。

3 前各項の休業日については、学長は臨時に変更することができる。

第6章 入学、休学、復学、留学、退学及び除籍

(入学の時期)

第12条 大学院入学の時期は、学年の前学期の始めとする。ただし、秋入学者については学年の後学期の始めとする。

(入学資格)

第13条 修士課程及び博士前期課程に入学することのできる者は、次の各号のいずれかに該当する者とする。

  1. 大学を卒業した者
  2. 文部科学大臣の定めるところにより、前号と同等以上の学力があると認められた者
  3. 文部科学大臣の定めるところにより、大学に3年以上在学した者(これに準ずる者として文部科学大臣が定める者を含む。)であって、本学の定める単位を優